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『幸せになりなさい。いつか貴方の家族を見つけて、共に生きなさい』

 

主人公のカイムは生まれながらにして毒に蝕まれた『呪い子』として、父や双子の妹、使用人や領民からも忌み嫌われている存在だった。

家族で唯一、母だけは彼に愛ししてくれていたものの、毒の影響もあって早くに亡くなり……彼女に恩のあるメイド、ティーだけがカイムの味方だった。

生まれながらにして、そんな厳しい環境に置かれていたカイムですが……。

 

その状況になったのは、両親の決断のせいなんですよね。

魔王級と呼ばれる災害『毒の王』を、犠牲を払いつつ倒した両親。父はその功績を持って貴族に任じられ領地を得たみたいですが……母はその争いで毒の呪いを受けてしまった。

このままでは死んでしまうという時に、父の知人であるドクトル・ファウストが登場。マッドサイエンティストの側面があり人体実験を行って数百と殺している一方、難病の治療薬などを作っている功績もあげている人物。

ファウストは、母が受けた呪いをその時に妊娠していた双子の片割れに呪いを移すことで、母体と子ども1人だけを助けるという提案をされて……それに頷いた。

 

だからこそ母は生まれてきてくれた子に業を背負わせてしまったと、せめてもの愛を与えようとして……。

父はカイムが呪いに耐えられずに死んでさえいれば尊い犠牲と思えたのに、生まれてきたことで妻を蝕み、非情な決断をしたことを突きつけられると、息子を遠ざける決断をした。

……その上で、どちらも息子に与えてしまった因果について説明しなかったっていうんだから、父が最底辺のクズではあるという前提で、母もちょっとダメな部分あるよなって感じ。父は自分の罪と向き合えずに歳を重ねているので、あまりにも醜いんだよなぁ……。

 

十三歳の孤立したカイムの前に、呪いを移した張本人ファウストが現れたことで、ようやく彼は事情を知ることができたわけですし。

彼女の介入によって自身の呪いと向き合ったカイムは、新たな『毒の王』として覚醒。力を得たためか18歳ほどの肉体に成長し、『毒の女王』と同じ毒を操る力を有しつつも、人の意識を残した彼は母の残した言葉に従い、自分を受け入れて裏切ることのない家族を探しに行くことにして……。

 

行きがけの駄賃で父を蹴散らして傷を残しているのは、罪を突きつける感じで痛快ではありましたが……命までは奪わなかったので、このクソ親父の再登場も約束されたようなもので、そこは億劫だなぁ。

気ままな一人旅になるかと思いきや、賊に襲われた帝国の令嬢を助けることになったり、メイドのティーが追いかけてきたり、女性の仲間には事欠かない状況に。

サブタイトルの「発情ハーレム」とある通り、そういうシーンの描写が織り込まれていて、中盤以降お色気シーンが増えていく作品ですな。