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「(ヴェンデリン、さすがにちょっと驚いたぞ)」

「(テレーゼを出し抜けたとは、俺も貴族として成長した証拠だな)」

 

魔族という新しい交流が誕生したこともあり、5年おきに開催していた帝国への親善訪問の開催を早めることになって。

前回開催したときは、帝国の内乱に巻き込まれて全く親善に寄与しなかったから、という部分も影響していた模様。

将来に向けた交流を増やしたいからと若手中心で構成されることとなり、ヴァルド王太子が代表として赴くことになり……それはそれとして一人くらいは大物を伴いたい、とヴェルに声がかかることに。

 

……その人、件の内乱にどっぷり巻き込まれて中心で戦う羽目になった人物なんですけど……。信頼するのも大物として遇するのもいいけど、あえて親善の場に連れて行くのはハードル高いのでは、とはちょっと思った。

それを言ったら導師も暴れまわっていたし、王国側の有力な魔導師連れていけなくなりますからね……。

帝国トップのペーターとヴェルの関係は良好だし、今回もサプライズでパーティー開催したりしてるから、なんだかんだ連れてきて良かったとは思いますが。

 

帝国と王国の交流自体は、今回問題なく行えていましたが。

その後、各国それぞれの目的で極北の地の調査を行うことになって。魔族の危険思想持った勢力もその地に足を運んでいて混沌としてましたねぇ。

魔族のオットー達、支援もろくに集められてない勢力でありつつ、今回は目的達成してしまってるので変な運はあるんだよなぁ。面倒なことです。

あの装置が彼らの望んだ兵器とかじゃなくて、天体望遠鏡的な何かだったらいっそ面白いんですが、さて。

 

それはそれとして帝国に訪問するというスケジュール変更に際して、じゃあそれまでもっと働いてもらわないと! ってこき使うローデリヒは本当に何なんだ……家臣のわりに主君に対して遠慮なさ過ぎるんだよなぁ。