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「そもそも、ブレンメ男爵家を潰すなと言ったのはブレンメルタール内務卿では? 謂れた通り潰していませんよ」

 

弟子三人娘とフィリーネと正式に結婚することになり、式を挙げて。

普段あちこち出かけていることもあって、新婚の面々で静かに過ごせる場所に出かけようということになって。

 

料理だけしてればいいのに手を出して失敗しがちなベッティの兄が、うっかり購入してしまった山小屋でゆっくり過ごそうとしていましたが。

予期せず訓練中に負傷した王国軍人たちと出くわすことになったり、彼らから聞いた情報を基に山道整備をした結果、山小屋で人をもてなす必要が生じたりと、戦闘があったわけではないですが、穏やかなだけで終わらないのが彼らしい。

 

はぐれ魔族と称される魔族の国から違法に出国し、リンガイア大陸にやってきた魔族がいるとかで。

魔法の力を持っているならば魔族でも構わないと貴族に雇われ、紛争に駆り出されるなどの問題も起きているというのは、めんどうな話で。

ブランタークや導師も調停に駆り出されていたりしてましたが。

ヴェルの義姉アマーリエの実家である、マインバッハ騎士爵家と隣接するブレンメ男爵家がはぐれ魔族を雇って紛争を仕掛けてきたりして、ヴェルも他人事で済まなかったわけです。

 

まぁ彼が動けば戦力的には問題なく対処できますが、内務卿が徒に貴族家を潰すことに反発してきて。そうやって家を潰すっていう最後の手段を取らずにズルズルと続いているから、馬鹿な貴族が増えていくんじゃないか疑惑が……。