「喪うことに怯えられるな。貴殿には守る力があり申す。……かつて何を取り落としたか、それを拙者は知り得ぬ。が――今の貴殿は、その時よりもずっと強い。それだけは確かなのではござらぬか?」
オリバー達が復讐で3人の教師を撃破したことで、キンバリーにも変化が起きることに。生きてる中からも2人、異端狩りの現場に出向することになっていたおり、臨時講師を雇い入れることになって。
新たに雇われた3人の内2人はキンバリーのOBOGであり、学園長の手が及びそうではありましたが。天文学を担当するファーカーは、キンバリー出身ではなく「大賢者」の異名まで持つ実力者であり……リバーシを取り込み続けている家系の代表でもあった。
それゆえにオリバーやシェラは、ピートに警戒を促そうとするわけですが……彼自身は逆に近づこうとする素振りを見せて。
一方のガイもとある先生から目をかけられて、その一端を受け入れることになっていくわけですが。
さすがにキンバリーに長らく在籍してきただけのことはある、というか。剣花団においておいて行かれることの多かったメンバーが、魔術師として成長しているのを感じられるのはありがたかったですけど。
反面、魔術師として成長するということは、深淵に近づいていくということでもあって。新学期突入早々、魔に呑まれた生徒の騒動に対峙することになっていたのは、皮肉というかなんというか。
……年単位で積み重ねてきた思いがあって、ピートがオリバー相手に踏み込んできたりと、どうしてもこれまで通りではいられないというのが改めてはっきりと描かれた12巻だったと思います。
新しい先生も登場して続きが気になる4年次スタートということで、今後の動向が気になる箇所がおおかったですねぇ。大賢者という予想できない脅威が増え、警戒も厳しくなる中で、さて次の復讐相手は誰になるのかも気になるところ。