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「まあ、ヴォルフが望むものならば止めないよ。だが、ロセッティ殿を巻き込んだ、その背金は負いなさい。ロセッティ殿も安全を考えて、今後は外部に出す前に相談してほしい。二人に何かあったら嫌だからね」
これまで多くの失敗作を生み出してきた、ダリヤとヴォルフの魔剣作成もついに第6回。
そして試行錯誤の果てに今回は実用性のある「疾風の魔剣」が誕生することとなったわけですが。
……2人とも趣味の工作に熱中しすぎて、その価値をハッキリと分かってはいなかった。
魔物討伐部隊の現場でヴォルフが扱ってみせたことで注目が集まり、可能であれば注文を出したいとまで言われた。
そこでヴォルフの兄へと話が通り、スカルファロット家に武具開発部門を創設し、そこの開発とすることでダリヤを守る方策を立ててくれたのはありがたかっったですね。
庇えるところではフォローを入れつつ、2人にしっかりとお説教してくれたのも。ストッパーいないと暴走しがちだから……。
あくまで魔剣開発は趣味の産物ではあって、今回のダリヤがメインで開発したのは炬燵モチーフの『温熱卓』シリーズだったんですが。
この世界でも炬燵の魔力に逆らえず、堕落座卓とまで呼ばれたりしていましたけど。
かつて試作したときに父カルロが気に入り、亀のようになってしまったから封印されていた品を発掘しリメイクしたものなので、新たな研究時間が必要なかったとはいえ、また人気シリーズの発案者となってしまって、関係各所大わらわだろうなぁ……というか。
もう少しゆっくり進んだってバチあたらないのよ、ダリヤと思わなくはないですが。うつむかないと決めたからこそ、もう止まらないんだよなぁ……。