「変わることは何も悪いことじゃないのよ。弥生の気持ちは弥生だけのものだし、あなたの人生はあなたが決めることだもの」
主人公の深瀬皐月は、左手で触れた相手の思考を読み取れるサイコメトリー能力を持っている以外は、普通の男子高校生。
そんな彼はある時、美人ではあるものの「近寄るな」というオーラをまとい孤立している美少女、木下弥生さんに左手で触れてしまって……。
彼女から「格好いい」と思われているのを聞いてしまい、それ以来気になっていた。
そして2年に進級した際のクラス替えで、いよいよ同じクラスになって。
接点が増えたことで、少しずつ2人の距離が縮まっていくことになるラブコメですね。
皐月はピアノの演奏が好きで、けれどかつて失敗したことがトラウマで弾けなくなっていた。
弥生が彼を気に掛けるようになった切っ掛けがそのピアノで、だからこそ皐月を再起させることができた。
……と、主人公のピアノという特技だけでもまとまった気はしますが。
皐月の持っているサイコメトリー能力と、弥生が他の人と距離を取ろうとしていた理由というのが、1巻時点だと蛇足というか冗長感はありましたね。
最後の引きを見ると、続刊でそのあたりを活かしてくるのかもしれませんが……微妙に乗り切れなかった部分はあるな。