「ヴェル、お前、相当に暇なんだな」
「まあな」
単行本1~10巻の特典SS等を収録した、電子限定書籍。
クルトに嫁ぐことが決まった時のアマーリエ視点のエピソードだとかもあって面白かったですね。
本編主人公のヴェルが実力ある魔法使いで飛行や転移を使いこなすし、なんなら飛行船使う資産もあるし。それらを駆使してあちこち飛び回ってるのもあって、つい忘れがちですけど、バウマイスター騎士爵家かなりド辺境にあるんですよね……。
アマーリエが嫁ぎに来るときの山脈越え、なかなかに大変そうでちょっと笑っちゃいました。
他にはヴェルの友人、ルイーゼやイーナ、エルヴィンたちの幼少期のエピソードだったり。導師が王宮筆頭魔導師という立場を活かし、視察という名目で田舎領地を訪問する話とかもあって、本編だと大暴れしてる印象が強いからちゃんとそういう仕事もしてたんだなぁって思いました。
……まぁその次のSSだと、グレートグランド討伐後にヴェルとブランタークを連行して草原の魔物退治してるエピソードで、ヴェルに食事の準備放り投げた上で出来た料理食べつつ酒を楽しんでるのが描かれてるので、見直しかけた評価がすぐもとに戻っていきましたが……。
ブロワ辺境伯の騒動に巻き込まれて、長々と陣を構えていた時に、エリーゼ達女性陣の料理にも個性が出てると話す「シチュー談義」が笑えて好き。
SS内でも突っ込まれていたけど、そんな分析しちゃうくらい暇だったんだね……。
後半、主要キャラのプロフィールと著者からのコメント載っているコーナーがあったんですけど、ヴェルのモットーが「住めば都、長いものには巻かれろ」なのに対し著者から「大分馴染んできたけど、前世とどちらが良かったか判別つかない」と言われてて、なんというか微妙に染まりきってない認定されてて笑った。
あんなに食事の改革とかして、自分好みの環境作ったりしているのに……。まぁその分苦労も背負ってるから天秤が揺れ続けてるんだろうなぁ……。