「自由!? 良い相手を見つけろ? 俺が――俺たちが自由!? 馬鹿にするなよ、このボンボンが! お前、純潔の危機を感じながら! 命がけで! 小さな船で! 空に船出をしたことがあるのかよ! あんな美人な婚約者がいて、他の女と遊んでいるのも許されて……何が王族に生まれたくなかっただ。エンジョイしまくりじゃないか! 出直してこい!」
BOOK☆WALKER読み放題で読了。期間限定タイトルで7月末まで。
世渡りが上手い妹に度々無茶ぶりをされてきた主人公。
今回は妹が自身の腐女子御用達の書物を兄の部屋に隠していて、それが見つかったため性癖の誤解をされるという事態になって。
両親も妹の証言ばかり信じてしまうタイプで……妹から「誤解解いて欲しかったら面倒な乙女ゲークリアして」と無茶ぶりされることになって。
なんで俺が男の好感度上げなきゃいけないんだと愚痴りながらプレイし……無茶が祟って、アパートから出た時に階段から落ちて死亡。
そして彼は、直前にプレイしていた乙女ゲーム世界のモブに転生してしまった。
その世界は奇妙なまでの女尊男卑世界で……彼は苦労していくことになります。
空に浮く大陸で人々が暮らし、飛行船が飛び交い戦争のときはパワードスーツを纏って戦うような、ファンタジー世界。
主人公の生まれた家は、ギリギリで男爵家規模になってしまった家で……家格相当の振る舞いを求められて、それゆえに貧乏な暮らしをしている家だった。
さらに男爵家ともなると、身分の高い相手を妻に迎える必要があり……しかし、その妻は普段は領地にいつかない、傲慢な人物だった。
……まぁ、それが割とこの世界の普通だって言う時点で大分ストレス社会だなぁとは思いましたが。
貴族の通う学校に、平民ながら特待生としては要れることになった女性オリヴィアが主人公となり、攻略対象と仲を深めていくのが本来のストーリーだったようですけど。
主人公のリオンが学校に通うようになったら、なぜか別の女性が攻略対象たちの傍にいて。マリエという子爵令嬢は巧みに取り入り、王子の婚約者アンジェリカを陥れたりもして。
決闘騒ぎにまで発展した段階で、リオンはアンジェリカの代理として戦うことを決意。マリエに入れ込んでる5人を蹴散らしてくれたのは、いっそ清々しかったですね。
まぁ彼の言動が荒っぽくてゲスい部分があるのは確かですが、それ以前に不義理してるキャラとか、アンジェリカとオリヴィア以外の女性キャラがクズだったりして、相対的にリオンの方がまともに見えるからな……。