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「……でも、アニスは自由が好きでしょう?」

「ユフィがくれた自由だからね。私が自由でいて欲しいって、そう願ってくれるからこの自由を愛せるんだ。その自由がユフィを苦しめるなら、ユフィがまた少し手放しても良いと思える日まで囚われてあげる」

 

アニスがドラゴンの力を得て、精霊契約者となったユフィと永い時間をずっと一緒に過ごせるのが確定したからか、2人の距離がまたぐっと近づいた感じがありましたね。

……すでに割とイチャイチャしてたのに、まだ近付ける余地あったんだ。

一応、悪影響がないかを確認するという名目でアニスは療養を兼ねて、離宮に引きこもっている時間が多かったみたいですが。

その間にアルが恩赦によって爵位を与えられ、辺境開拓を任されていたのは進展ですかねぇ。あの騒動があったことを思えば、事情を知っている人間をあそこに配置するのは欠かせないでしょうしね……。

 

パレッティア王国では、魔学をより発展させていくために研究施設を作るという話が出ていて。

これまでの伝統との兼ね合いもあって王都に直接建設することはできず……最終的に、そのために街を一つ創り上げることになるんだから凄まじい。

そうなると、一番詳しいアニスの意見が重要になってくるから、と責任者を任されて。さらには王姉であるアニスフィアに専属の騎士団をつけるという話も出てきて。

 

これまで周囲の手助けを得ながらも、あくまでアニス個人の研究であったものがどんどん大きくなってきたものですねぇ……。

ただ規模が大きくなる以上、責任というものも付随してくるわけで。アニスが騎士団のトップにも立つことになったり、これまで避けていた魔道具の開発の決断を下す覚悟を決めたり、「変化」が始まる1冊でしたね。

アニスが都市開発のために現地に赴くことが増えて、一緒にいる時間が減って拗ねるユフィが可愛かったですね。

 

アニスが地位を得て、それまでと違う立場にもどかしさを覚える一幕もありましたが……確認したいことが出来たら即座に動いちゃうハチャメチャっぷりが薄れたわけでもないので、相変わらずの様子になんか嬉しくなりました。

周囲にいる人員との信頼関係も少しずつ築けてきているし、新しい魔道具のアイデアを形にしたりしてますし。うん、いい展開だったと思います。続き読めると嬉しいなぁ。