『確かに、俺は普通の剣よりは強いかもしれん。だが、フランがいればもっと強くなれるんだ。俺を一番分かってくれていて、俺の力を一番に引き出してくれるのはフランだからな』
これは慰めでも何でもない。本当に何度も思ったことだ。
『俺は、お前に相応しい剣になるため、もっともっと強くなるぞ』
厄介な侯爵をAランク冒険者のサポートを受けた上で倒したフラン。
その後は無理がたたって休息を取っていたわけですが……戦場はあそこだけじゃなかったんですよね。
ベルメリアを救うためにウルシとフレデリックが動いていましたが、肝心の救出対象が疑似狂信剣に突き動かされて、王城襲撃なんて事件を起こすことになってしまって。
神剣持ちのアースラースが近くに来てくれていたのはありがたかったですね。……能力的な影響もあって、建造物等の被害はありましたが。
彼がいなかったらもっと被害大きかったのは間違いないので……。
フランは目覚めたあと、情報と戦力を引き出すために動いていましたが。
幼い外見故に侮られる場面も挟みつつ、有力な手掛かりも得られたので差し引きはギリプラスか……?
エイワース、戦力的には頼れるけれどマッドすぎるからなんとも。
鍛冶師ガルドの救出には成功したものの、狂信剣を刺された連中みたいに薬漬けにされていて、影響が残ってる状態だったのは腹立たしい。
別の戦力が冒険者ギルド前の大通りで暴れて、フランはそこでも奮闘することになって。
強力なアンデッドまで備えていて、敵の仕込みの規模が恐ろしい。
それも乗り切ったもののフランの疲労が激しく、眠りにつくことになって。帰還したウルシを護衛につけて、師匠は単身行動を開始。
暴走しているベルメリアとアースラースの戦場を発見したけれど、単独では介入が難しい激しさで……近く似たフォールンドに自身の存在を明かし、協力することでなんとか鎮静化することに成功して。
操られていたとはいえ被害甚大なため、ベルメリアの扱いは難しく……そういう意味ではアースラースがいてくれて助かりましたね……。
そういう意味では渦中にいた鍛冶師ガルスも危ういところはありましたけど。彼は神級鍛冶師に近いという評判と廃棄されたものとは言え神剣に触れたことや、それまでの実績で彼に恩のある人間が多いといった面が加味されて、罪を不問されることになったのはせめてもの救いですかねぇ。
今回の戦闘も激しいもので、フランが落ち込んだりもしてましたが。師匠と励まし合って奮起したのも良かったですね
事後の治療に奔走したことで、黒猫聖女って呼び名がついて黒雷姫の方が強そうで好きと言ってるのがフランらしくて微笑ましかったです。