「……あたしだけならともかく、ニナまでバカにされたら許せないわ」
とある伯爵家で働いていたメイドのニナ。
彼女は豊富な知識と巧みな腕を持って様々な仕事をこなすことのできる、万能メイドだった。しかし、師匠の教えもあってその成果を誇示するようなことはなく……。
それゆえに他のメイドたちから評価されることもなく、果てにはメイド長から濡れ衣を着せられ、次の職場への紹介状ももらえず追い出されることに。
これまで伯爵家の人々の無茶ぶりに対処できていたことや、伯爵家の評判が上向いていたのもすべてニナのおかげであり、それを理解できていなかったためにボロが出ていくことになるわけですが。
まぁ、自業自得以外の言葉はないかなぁ……。メイド長が「ツボを割った」という冤罪で追放したのを温いと懸賞金をかけるような人物が当主ではねぇ……。
追い出されたニナは旅にでることを決めて……その先で出会った人々の悩みを「メイドなら当然です」と言って解決していくんですが。
彼女を気に入っていた賢人から教えられた、貴重な知識を惜しげもなく披露したりするし。そもそもニナがメイドとしてスペックが高くて、ゴミ屋敷状態だった家を半日で掃除した上で、外観にまで手を出す余裕があったりするし。
そしてニナの知識に助けられた少女たちが、ニナへの恩と彼女への心配から旅に同行してくれることになって、楽しい旅を贈ることになる話。
行く先々でトラブルに遭遇するし、それを解決する過程で存在が知れ渡って、別の貴族家が雇い入れようと手をまわし始めたりしてるので、ニナ達が穏やかな旅を続けられるといいんですが難しそうなんですよねぇ……。