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「でもよく私のサイズあったね?」

「前にお買い物行った時 こういう系統の服みつめてただろ?」

「だから作った」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。

ショートエピソードをいくつか収録し、最後に半分以上のページを割いている中編を収録している形式。

冒頭のエピソードは「こういう大学生活、送りたかったですね」。

深夜に虫が出たことで女子の家に呼び出された男子がそれを退治して……「深夜に男女が2人…することと言えば?」でラーメン屋行ってるの、笑っちゃった。

その後7Pで、2度目の誘いをかけるシーンの女の子の表情が可愛くて好き。

 

「独占!! バレンタイン」でチョコくれた後テンション上げる女子のノリも面白い。

カラーページから「ジャージ貸して」と言ってくる女子と男子のエピソードも微笑ましい。彼ジャージルックでくるくるしてるの可愛い。

「…どーせおっきい方がすきなんでしょ」の女の子も、からかう仕草をした後反撃されて、ショック受ける→すぐ復活の流れが笑えました。

可愛いので言えば「ちんちくりんに騙されてえな」の2コマ目の表情アップが、好みの絵柄でした。

「高身長彼女にかわいい服を着てもらおう!」。気になっているけどサイズが無い彼女に着せるため、自分でデザインして型紙まで作って自作してのけた彼氏、熱量が凄い。最初は照れてた彼女がそれを聞いて「じゃあかわいいよ!!」ってお礼言えるの偉くて可愛い。

 

そして後半にあるのが、タイトル表記なかったですが表題作の「ぼくらは呪いを受けて生きていく」になるんですかね。

アイドル鈴宮沙月を押していたオタク主人公。しかし、彼女はストーカーに殺されてしまって……他の彼女推しが別のアイドルへと乗り換えていく中で、彼はずっと彼女を思い続けて……。

思い詰めた結果、「死ぬほど好き」を貫いて自ら命を絶とうとした。

その瞬間、彼は鈴宮沙月の霊を目撃することになって。不思議な二人の交流が始まっていく話。主人公自虐癖のある卑屈な青年でしたが、沙月嬢がしっかりそれを指摘して……少しずつ彼は変わっていった。

少女が悪霊と化してもっと呪わしいエンディングになる可能性もあったとは思いますが、良い結末になっていたのではないでしょうか。

中編も良かったんですが、個人的には前半のショートエピソードの方が癖に刺さるキャラ多かったですね……。可愛かったです。