「ふふふ……ありがとう、鳥さん。助けてくれて!」
闘病中だった少年が死に際、「鳥になれたら、どこまで行けるんだろうか」という長く病院生活をしていた憧れの感情を思い出して……。
気が付いたら、本当に鳥になっていた。天井の一部が抜けた、謎の鳥の像が置かれた洞窟で一羽佇むことになって。
教え導いてくれる存在もない中で飛ぶ練習などをしていた時、なんと火を吐き出せることが発覚。
タイトル通り「不死鳥」だからこその特殊性なんですけど、主人公目線だとそういった情報が無くて、手探りすぎるから序盤の進行がじっくりペースなんですよねぇ。
不死鳥ゆえか基礎スペックも高くて、自己流の特訓の末にドラゴン討伐まで成し遂げていたのは凄かったですねぇ。
ドラゴンを倒したことで一念発起して人里近くまで飛んで行ったある日、魔物に襲われている少女シエルを助け、彼女に名付けられたことで契約が成立。
シエルに連れられて街に入ったことで、ようやくこの世界の事情について理解が深まっていくんですが。
この世界の空には自然に晴れない黒い雲が広がっていて。
その影響を受けて魔物が凶悪になった世界らしく……かつてはテイムした魔物を伴う冒険者などもいたようですが。
黒雲発生以降にテイムモンスターが暴走する事件が起きたために、気軽に魔物を連れ込むことはできない状況になっているとか。
キョースケことキョーちゃんと名付けられたことでシエルと契約が成立していたことも影響して、主人公は無事に入れることになって。
幼いながらも不死鳥という存在だからか、契約によってシエルへキョースケの力が流れ、強力になったりして良いコンビになっていきそうな雰囲気だったのは良かったですね。
イラストの雰囲気は結構好きです。ふわふわらしいキョースケを抱き締めてるS級冒険者のアイリが可愛かったですねぇ。動物好きなのかキョースケ連れていこうとするのは困りものですが。実力は確かだったし。
合間の他者視点を見ると、この黒雲を敢えて発生させている組織が居て、その内部もまた一枚岩ではなかったりするとかで、厄介極まりない状況ではあるようです。
魔神を殺す力があるかを気にしてたから、その復活とか目論んでそうで、シエルたちの道行にはでっかい障害が多そうです。
妨害に負けず黒雲晴らすまでたどり着いてくれるといいんですが……WEB更新長期止まってる作品だからなぁ……。