「約束すわ、お父様。私は王族として、人として、恥ずかしくない力を身につけて、必ず成長して帰ってくるって! これはそのための旅なのよ!」
「レクシア……」
「……とか言って、要は好き勝手したいだけだろう」
『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』のスピンオフ。
原作の美紅さんの監修を受けて、琴平稜さんが執筆されている作品になります。
イラストは原作と同じ桑島黎音さんなので、作品の雰囲気は変わらず楽しむ事ができますねー。
表紙に登場しているケモ耳少女は、希少とされる白猫の獣人にして爪聖の弟子でもある少女らしいです。サハル王国の民族衣装を着たルナとかも、綺麗で良いですねー。
ガールズサイドとあるとおり、ヒロインたちに焦点を当てた話なんですけど、メインのレクシア苦手なタイプなので、まぁそこはちょっと残念だった。
優夜の押しかけ自称婚約者である彼女は、優夜の事を思いすぎて公務の間でも面倒くさがってますし。今回も思い立って旅に出ようとか言い始めてるし。
それ認めちゃう王様も王様だよ……。
目的地も決めず無計画に飛び出したレクシアと、護衛として連行されたルナ。
なんだかんだ良いコンビ感はある2人は、隣国レガル王国を訪れて……そしてそこで、サハル王国からの政略結婚の誘いを受けて、ライラ王女が旅立ってしまったことを聞かされて。
レクシア達が知るブラハ王の人柄と一致しない行いなのが気にかかり、レクシアはサハル王国へ赴く決意をしてますが。
いやはや行動力の権化ですな、このお姫様。その結果、爪聖やその弟子のティトと出会ってるんだし、人との縁を引き寄せる強さは持ってますよね……。
レクシア、「国同士が力を合わせることは大切だけど、それが政略結婚出る必要はない」というのは、先進的ですけど完全に否定するようなものでもないのでは……? と思わなくはない。
まぁ今回は結婚を受けるのであれば政争の渦中に飛び込むことになるし、暗殺者まで差し向けられているし、暗躍してる勢力まであるしで、ライラを助けに行ったのは結果的に正解だったわけですが……。