「君とこういう関係になれてよかったな、と思ってね。……お見合いは面倒だったが、君と出会えたことは本当に良かったと思っているよ」
(略)
「そうですね。私も高瀬川さんと仲よくなれて、本当によかったです。一人ではああいう場所にも行きませんから」
結婚可能年齢が引き下げられたこと、名家の出身であることから早く結婚しろと祖父母から焚き付けられている主人公、高瀬川由弦。
何度も声を掛けられて鬱陶しがった彼は、友人と会話して「金髪碧眼のとびっきりの美少女を連れてこい」と無理難題を振って……。
しかし、祖父母の交友関係を侮っていたというべきか。条件をかなり満たしていたクラスメイト、雪城愛理沙が連れてこられることになって。
彼女もまた婚約話に困惑していたために、偽装婚約の関係を結ぼうじゃないかという協定を持ち掛けられて。
お見合いの際にちょっとしたトラブルから怪我をしてしまったことや、雪城と家族の関係について思うところもあり、由弦はその関係を了承することにして。
名家の由弦の婚約ではあるけれど、関係を公にするほど確定した話でもなく……現状では口約束レベルではあるようで。だから友人たちにも基本的には秘密にしているわけですが。
自分のせいで怪我をさせてしまったと気にした雪城から世話を焼かれたり、祖父に仲が良好であることを示すために写真を贈る必要が出てくっつく必要が出たり。
なんだかんだと交流が増えてきたことで、お互いの距離が近づいていく構図は微笑ましくて良かったですね。