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「ヴェンデリン パウル

「ただ 犠牲者が少ないことを望みます」

 

本格的に動く建前として地方巡検視の仕事が振られ、護衛として4人の男性陣とヴィルマという少女が派遣されることになって。

軍務卿の秘蔵っ子である彼女は、英雄症候群と呼ばれる極小の魔力で圧倒的なパワーを発揮できる体質だった。まぁ、その分いつもおなかすいたと言ってくるような腹ペコ娘ではあるんですけど。カロリー摂取を怠ると死んでしまう、厄介な代償も背負ってるようですけど、今まで生きてて良かったなぁという感じ。

 

爵位持ちではあるけど冒険者としても動くヴェルの傍に、普通の貴族令嬢はおけない。

注目株だから下手に手も出せないけど、こういう機会に護衛も務められる戦力を派遣するというのは、適した動きなんですよねぇ。

兄の態度もあって職務優先としての動きを見せようとしていたヴェルですが、父から母には顔を見せておけ、と言われることに。

母親は割と真っ当な価値観を持っていそうですが、発言権がなくて……。婚約者がいるなら挨拶だけでも、と常識的な対応してくれるの安心できますねぇ。クルトがアレだから……。

 

今回の滞在でケリをつけるべく、敢えてクルトを煽るような行動をとることもして。

遺品返還と、慰霊のための食事会を行うことに決めて。瞬間移動でヴィルマと海で食材採集にいって、シーサーペント討伐したりしてるの挑発するにしたって規模がデカいというか。たまたま出会ったから有効活用しただけではあるんですが。

熊もシーサーペントも斧で一撃なヴィルマ、頼れる前衛ですよねぇ本当に。