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「――…終わった…のか?」

「ええ…」

 

魔の森へ調査に出かけたイーナ達。

プランタークがかなり昔に作られた本を頼りに分析してましたが、妙にサイズ感が大きくて。人の身長よりも大きいバナナとかコーヒー豆とか、絵になると愉快だな……。

エサがデカいからそれを食ってる魔物もデカい、と魔の森パニックしてる面々も面白かったですね。

冒険者稼業そのものは楽しんでいましたが……ヴェル達が順調ということは、標的となっているクルト陣営は苦しい状況になっているわけで。

 

ルックナー男爵の遣いから魔道具を貰って、それによってヴェル達を打倒しようと目論んで。

「竜使いの笛」を用いて、数の暴力でヴェルを殺そうとしていましたが……。彼の師匠が死んでしまったのは、守るべき軍隊が存在していたのも大きいわけですし。

導師の応援もあったからなんだかんだ何とかなりそうな気配はしますがねぇ。

逆に今回用いられた「怨嗟の笛」の方が、クルトの情念だったり吹いた環境だったりが影響して、厄介な敵になっていたので笑えないんですよね……。

ヴェルとエリーゼの協力プレーでも対処が難しい規模で、導師が来てくれてたのは本当に良かった。

 

扱う者が怨霊だった影響で、クルトを打破したと思ったら残滓が王都に飛んでルックナー男爵家へと影響を及ぼしたので、敵側にも痛手を与えてくれたのは正直ラッキーでしたが……。

騒動の末に、父から過去にあった遺恨の詳細について明かされてましたが、そっちもそっちで救いが無いというか。血が流れまくって、得る物少なかった感がある。

実際のところ、ヴェルやその兄たちに詫びとして爵位が与えられたりして、面倒だった分の迷惑料は支払われているんですが、面倒事は面倒事だからな……。