「「神絵師」って名称ちょっと苦手だったんだけど 言われると嬉しいね
えへへ 私ももっと頑張らなきゃ」
絵が上手い人の総称としての「神絵師」。
某イベントに参加し、コレーダという美人女性神絵師と出会った主人公のユーミ。
お近づきになりたいけど、今の自分には何もない……ならば自分も神絵師となって近づく機会を得よう! と思い立って、ある程度成果を上げてるの凄い。
男子高校生ながら絵師の打ち上げに参加して。飲み会とかにも招いてもらえるくらいの活動はしてるみたいですし。
酔っぱらって癖に忠実になったコレーダさんを見ても、「本質も素敵……」ってなってる当たり、大分盲目にはなってる。
酒の席ということもあって年長者たちが、赤裸々な恋愛トークをぶっちゃけたりもしてましたが。
他の人からのサポートもあって、コレーダさんに認知されることに。知らん子からライバル扱いになってて、恋は1ミリも進展してないけどなにもないよりは、ね。
ユーミ君も学校で1番になったりする自信はあるけれど、絵を描く人とずっと戦っていきたいから、「高校生」って枠を超えていきたいと考えているのも良いですよね。
結果出したせいで、同じ学校の絵に自信があるちょっと痛い女子エルカちゃんに絡まれるきっかけになったりもしてましたが……。
中盤からはユーミくんとコレーダさんたちとは違うカップルのお話を収録。
『恋は大抵「こいつオレの事すきなんかなあ?」から始まる』とか、好きです。
ゲーム会社に絵が上手い後輩女子が入ってきて、イラストチェックの担当としてつくことになった先輩の話。彼女の距離感に親しみを覚えていたところ、彼氏っぽい人と歩いているのを目撃してしまって……。彼女が気付いて、「あれは弟!」って走って説明に来てくれたの、可愛かった。恋じゃん。
他には『神絵師と付き合ってみた♡♡』。人見知りな神絵師と付き合っている女性イラストレーターが、「神絵師の彼女」として受付嬢の様に扱われて少しづつモヤモヤを溜めて言って……。
そんなとき参加したイベントで売り子の応援を頼めた人が女性で……嫉妬から離れてしまった女性の話。なんだかんだ西沢先生の作品、イチャついてるカップルが多いけど、失恋に繋がっていくのは寂しかったですけどまぁありそうなお話でもありましたね。
だからかフィクションというのを強調するために、具体的なキャラ名をつけずに記号になっているのは面白いと思いました。
『ひねくれジジイを救いたい』。アニメ化まで言った絵師が、周囲から刺々しい言葉を向けられるようになって擦れてしまって……。
若い女性イラストレーターに、人間不信気味な指摘と、荒んだ結果フォロワー数重視の言葉を吐いた彼に、「あなたを超えます」と言われて。
実際に成し遂げた女性と、それを認めて少しだけ甘くなった青年のやりとりが結構好き。