「次は間違えねぇ」
コミカライズ作品。
SNSでフォロワーが激推ししていて、コミカライズ読んだら面白かったので、原作小説にまで手を出し始めたシリーズ。
2028年二ホンに現代ダンジョン「バベルの大穴」が現れ、そこに挑む探索者という職業が生まれた世界。
ベテランと呼ばれておかしくない立ち位置で活躍していた遠山鳴人は、仲間を逃がすために致命傷を負った。
そのままダンジョン内部で沈殿現象と呼ばれる異常現象に飲み込まれ行方不明となった。
彼は超常の存在の干渉を受けて、所持していた武器だったりスキルだったりを所持したまま、異世界へ転生というか転移みたいなことをすることになって。
スタート地点が「冒険者の奴隷」で、冒険者たちの扱いとかルビが「カナリア」なあたり、これ炭鉱の金糸雀よろしく危険地帯に放り込んで、安全かどうかチェックする駒扱いでしょ……。
遠山に良くしてくれるリザドニアンの奴隷もいましたが、冒険者たちが乱暴してきて……。彼はそれを良しとする性格ではなかった。
とりあえず暴力でもってまず一人を打倒し、さらに死の記憶から切り札の出し惜しみをすることもなかった遠山によって、冒険者たちは混乱することになります。
無事に逃げおおせたかと思いきや、サイクロプスと対峙する羽目になるし。かと思えば竜種の塔級冒険者と出会い、お前ら2人で殺し合いして生き残ったほうだけ助けてやるよ、とか言われるし。
でもただ言われるがまま行動するような遠山ではないんですよねぇ。
絵柄が付くと矢印の導きことクエストマーカーがコミカルで面白いなぁ。教会の帰還印発動した時に遠山にわしづかみにされて「マ!?」ってなってるマーカーさん、正直おもしろかった。
クエスト進行の表示であるマーカーとかの扱いがしっかりしてて、良いコミカライズだなぁって思いました。
巻末書下ろし漫画「ある冒険者の続き」。
冒頭に行方不明になった遠山の捜索依頼を受けた人物の経過報告がちょっと書かれてましたが、「味山只人」って同作者の凡人探索者シリーズの主人公ではー? 繋がりがある描写見ると楽しくなっちゃう民です。
巻末の書き下ろしSSではアリスが幼少期に母と話しているシーンと、現代で高校生だったころの遠山のエピソードが収録されていました。
「鳴人くん」と呼ぶロングヘア少女とか、一人称僕でとある嗜好を持った少女とかとの縁があったらしいですけど、どっちもヤバそうな気配がひしひしとするんだよなぁ。むしろよく上級探索者になるまで生き延びてたな遠山。もっと早い段階で死んでてもおかしくなかったのではー?