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「でも……十年前、隻影が屋敷に来た時、はっきりと分かったんです。『私はこの子とずっと一緒に生きていくんだ。だからもう――孤独じゃないんだ』って。実際にそうでした。案外と私の勘ってあたるんですよ?」

 

強い皇帝によってまとまっている敵国・玄に対して、隻影たちの属する栄国は大分危ういというか。

前回の侵攻を退けられたの、かなり運が絡んだというか。英雄の生まれ絵代わりの隻影の奮闘が無ければ危うかったわけですが。

 

そんな状態で裏切った隣国・西冬への逆侵攻を、これまで最前線へ応援も寄越さずに戦闘経験の薄い近衛が主張し、主導した状態で実施する羽目になってしまって。

栄側の皇帝も乗り気という末期感が凄い。玄側のスパイが潜り込んでて、色々と工作も働かれているみたいですし。

それでも現場を経験したことのある将軍とか真面な人材はいましたが……今回の無理で損耗が出ているの、痛すぎるな……。

 

明鈴が伝承にある天剣を見つけるにあたって、仙娘の協力を得たらしいですが。

まさにその少女・瑠璃が、隻影たちの前に現れて。天候を変えるような大規模な業は使えないけど、知識はあって人柄も良いとあって、軍師として勧誘されることになって。

白玲との交流も経て瑠璃が協力してくれることになったのは良かったですし、彼らの奮闘で玄で四狼と称えられる戦力の一角、灰狼を討伐できたのはせめてもの救いというか。最低限得る物があって良かったと思うべきでしょうけど。

天剣を携えた隻影であっても容易く打倒できない勇士ギセンが黒狼という名を与えられて昇格することになっていたので、あまり痛手を与えられてない感もある。

差し引きで言うとやっぱり栄側不利だよなぁ。ここからどうなっていくのか、不安しかない。