「あのな来栖。変わりたいと思っている自分が、最後に一歩を踏み出さなくてどうすんだよ。前にも言っただろ? 来栖自身が自分を認めて自分自身を好きにならないとって。人と近づきたいのに、自分から離れてどうするんだよ」
主人公の男子高校生・鏑木律くんは「他人の心の声が聞こえる」という特殊体質だった。その能力を使って無難に立ち回り、平穏な生活を送っていたようです。
そんな律くんが通う学校に、時季外れの転校生・来栖瑠璃菜という少女がやってきて。容姿端麗ながら言葉を発することはなく、コミュニケーションは手持ちのタブレットに文章を打ち込んで対応する。
来栖さんとしては、みんなと仲良くなりたいという欲求はあるみたいですが。だからこそ正しい言葉を使いたいという気持ちもあるみたいで。その言葉を選ぶために思考が必要になること。考えるときに傍から見ると睨んでるように見えること。さらには出力された言葉も、直感的には分からないことがあって。
つまりは外から見ると無口・無愛想・言葉選びが変わっている子なんですよねぇ。
まぁ色々と重なり合って、彼女はクラスメイトとのコミュニケーションを成功させられずに浮いてしまっていた。何なら内心で「不気味だ」とか思われたりもしてましたし。
ひょんなことから律と来栖は縁ができて、交流を続けていくことになるわけですが。
律の視点だと彼女の隠さない心の声が聴けるので、可愛いと思えましたけどね。……まぁ、対人コミュニケーションのレベルが低くてズレてるなぁと思うことも多かったですけど。
タブレットで出力している言葉に対して、内心で倍以上考えていることもあって、言葉選びにこだわりがありすぎるだけで、わりと多弁なタイプにみえるというか。仲良くなれた律ともっと仲良くなりたい、アピールしたいという欲とかあるし、コミュニケーションレベル上がってれば、グイグイ絡んでいける陽キャになれた素養はあったのではなかろうか、来栖さん。
……現状だと不思議ちゃんコースまっしぐらなんですが……。
真面目過ぎて絡まっているだけとも言えるので、律君とのやりとりを経て変わっていってくれると良いですね。……シンプルにかわいい子で、そんな来栖さんに慕われて行ってる律君は内心穏やかではなさそうですけど。まぁそれもまた君の行いの結果だから受け入れてもらって……。
でも、来栖さんよりも涼音の方が個人的には推しなんだよなぁ。