「お父様……私はあなたをあいしています でも……
今の私にもう苦しみはありません」
シリーズ完結巻。
ゲドの前に「先代の炎の英雄」が現れ、ヒューゴーをルルで導いたのであれば、クリスの前に立つのはそりゃあワイアットの姿をしていますよねぇ……。
真なる水の紋章はクリスが保持したままだったから、土の紋章を持ち出してきたわけですが。さすがにそれを使われると他の騎士達には厳しいか。
ヒューゴー相手だと大分割り切って「騎士団長」しているクリスが、幻影とは言え父を前にして迷うの実に人間してるなぁって感じがします。
そして迷っている彼女の背を押したのが、ユンの言葉だって言うのも良かったですね。
あと、クリスが泣いていてその涙が地面に落ちるようなコマを間に挟んでから足元から氷結させていく演出結構好きです。
真なる紋章を抜かれたことで本調子じゃないササライもまた遺跡に踏み込んでたんですが……クリス戦で土の紋章使われたから、なんかササライ当人の知らないところで解放されて、真なる土の紋章戻ってきてたのちょっと笑っちゃうな。
その後、主人公3人が合体魔法を放っていた場面でも、ササライは1人で抑え込むというか防ごうとしていて、割と不憫ポジですよねササライ。……まぁハルモニアの将軍なんで、彼もまた血を流して生きてきた人物ではありますが……。
ルックは遺跡の力を用いて、真なる紋章の一つを破壊しようと目論んでいた。
それはヒクサクの目的を妨害して、灰色の未来を回避しようとする作戦であったわけですが。
まぁ確かに真なる紋章を巡って戦乱の火は絶えず起きるから、どうにかして破壊しようとしたりするの、ワンチャンありかもしれませんが……それの犠牲にされる側からすれば受け入れられないものですよねぇ。
先代炎の英雄みたいにどうにか封印できればそれが一番良い気もしますが。ゲド、紋章の力を形は違えど手放す2人と違って、受け入れていけるのを決めたからそのあたり詳しくなかったとは言え、知識だけでも聞いておくべきだったんじゃ……感はある。
終盤にルックの過去編が挿入されているの、重かったなぁ……。2つの真の紋章絡みの戦争を超えて、紋章を巡る争いに巻き込まれた人の在り方を見て、彼もまた迷っていたというか。結果として、彼もまた紋章を巡る争いを巻き起こしてしまったのは悲しくもある。
フッチの、かつての仲間ではあったけれど、別れてからの彼を知らないから「かける言葉がなかった」から戦うしかなかった、というのも戦乱を生き抜いた彼なりに引いた線を感じて好きなんですけど、これはこれで寂しい。
ルックを拾い上げたレックナート、バランスの施行者という彼女には果たして何が見えていたのやら。