「その気持ちを、きっと折戸くんだって抱えてる。『期待外れだと思われたくない』って、嫌われたくないってことだよ。でもそれって本当は期待してほしい、って裏返しだよ」
「裏返し……」
「だから、嫌われるのが――期待外れになるのが怖くても、前に進めるってところを見せてあげてよ」
女装男子の星美くんと、心寧ちゃんとその友人聖蘭との交流は続いていて。
まぁ、聖蘭の前だとジルちゃんとして振舞っていくことになってはいますが。
星美くんが心寧と出かけたある日、心寧が人とぶつかってしまって……その時に持っていたコーヒーを鞄にかけてしまった。それが高額ブランド商品だったことでワタワタする羽目になってましたが。
お相手はあまり気にせず使っていて、気にしないでいいよと言ってくれたんですが、それでは気が済まないから出来る範囲で弁償を……という話が出て。
その人物が店長を務めているカフェでバイトを掏る流れになって。
……まぁ星美くんではなく「ジルちゃん」で入ったことと、そこで折戸くんが既に働いていたせいで、別の火種を抱え込むことになっていましたが。
コーヒー掛けたのは心寧だったわけですが、陰キャを自称する心寧はまぁ接客業には不向きすぎて初日でクビ通告されてました。うーん、順当……。
女装を隠している男友達と一緒のバイトで接点が増えて。
それを隠しつつ悩んでいる彼に的確な言葉を掛けたせいで、妙な状況になってしまったり。
さらには折戸が気になっている聖蘭のプロデュースをすることになったりとしていました。妙なすれ違いとかみ合いがありつつも少し前向きになれる決着を迎えられたのは良かったですねぇ。
それでホッとしたところ、エピローグで刺されたわけですけど。今度は星美の過去が襲ってくるわけか……3巻楽しみだけど怖いな。