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「これでもお前には感謝しているんだ。だから、お前の希望はなるべくなら叶えてやりたいと思っている」

「所長……」

「だが、これからは少し難しくなるかもしれない。全てを叶えてやることはできなくなるだろう。想像はつかないかもしれないが、それだけ俺達にとって【聖女】というのは特別な存在なんだ」

 

宮廷魔導師団の師団長が目覚めたことで、人物鑑定を受けることになったセイ。

しかし彼女の基礎レベルが高すぎるせいで、鑑定を弾いてしまって。それでも、彼女の魔法の特殊性などから彼女の方こそが『聖女』であろうと判断できる国王含む上層陣は冷静ですね。

 

もう一人の召喚された少女、アイラちゃんに執着して暴走している第一王子カイルとその取り巻きが頭軽すぎると言うべきか。

カイルの婚約者であるリズは冷静でアイラちゃんに助言しようとしているし、もう一人の転移者であるセイ相手にも誠実に向き合ってくれたというのに……。

 

セイは自身のステータスに聖女と表示されているのも把握していたし、それが公になるのに前向きではありませんでしたが。

研究したり勉強したりするのは好きみたいですし、人を癒せるのに見殺しにするような真似が出来るような子でもないので、まぁ発覚するのは遅かれ早かれって感じではありましたよね……。

色々と勉強して、魔物討伐に同行した際に【聖女】の魔法を発現したこともあって、今後周囲が騒がしくなりそうではありますが、平穏を望む彼女のことを思う人もいるのであまり無茶な状況にはならない……といいなぁ。