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「何を言い出すかと思えば――まだ理解できていないんですか? 危機感が足りないのはそっちですよ?」

 

タイトル通り、『ソードアート・オンライン』をテーマにいろんな作家さんがIFストーリーを執筆して、公式で刊行しました! な1冊。

 

収録作品は下記の通り(敬称略)。

第一章『SAOif ピトフーイが、SAO事件に巻き込まれていたら~』時雨沢恵一×黒星紅白

第二章『もしキリトとアスナがゾンビゲームであそんだら』香坂マト×あるみっく

第三章『ドリームゲーム――くろすおーばー――』佐島勤×石田加奈

第四章『デスゲーム脱落編』周藤蓮×星河シワス

第五章『名探偵コヨミ/まだらのねこ』渡瀬草一郎×ぎん太

第六章『at the Children’s Steps』高野小鹿×rin

第七章『この呪いをどう解いたらいいの―シリカと幽霊少女―』牧野圭祐×かれい

第八章『もしアスナがレストランを開いた場合の、キリトの立ち位置的なお話』Y.A×長浜めぐみ

第九章『ソードアート・オンラインIf You Can Smile』川原礫×abec

 

第一章は、ガンゲイル・オンラインのコンビによるエピソード。タイトル通り、ピトフーイがSAOサバイバーとして知った情報をレンちゃんに語っていましたが……それは嘘八百で。それを信じてしまうレンちゃんが居たんだよ、という夢オチなんですが。軽いノリで楽しめる導入で良かった。

第二話はコンバート必須、つまりベテランゲーマーだけを対象にしたゾンビを蹴散らすタイプのゲームのベータテストに参加することにしたキリトとアスナ。最速クリアを目指して、想定されていなかった挙動も駆使して制覇したのはお見事。ゲーマー向けというのもあって難易度高めに設定されて、チュートリアルで脱落者続出なのはちょっと笑った。ハードル上げすぎぃ。

 

第三章は、メインの視点が魔法科の兄妹なのが特徴的でしたかね。魔法科の世界で聖遺物と呼ばれるアイテムの起こした、夢の世界との混信。それに巻き込まれた兄妹が、ゲームの配役を割り当てられて、クエスト攻略に来たキリト達と戦うことになる話。その前に一般プレイヤー蹴散らしてるのが達也だよなぁ。

第四章は、デスゲーム時代のSAOの攻略組に位置していたとあるパーティーに起きたトラブル。奇跡的な確率でバグに巻き込まれ、生き残ってしまったプレイヤーのお話。最後、想像の余地が残っているのが好きですね……。

 

第五章はSAOオルタナティブ・グローバーズリグレットシリーズのコンビによるエピソード。このシリーズも好きなので、IFであっても楽しめたの良かったです。ちょっと癖の強いクエストに挑んで、後日譚もちょっとみたいな感じ。

IF要素としては「もしもグロリグが館モノミステリーだったら」みたいなテーマらしいので、リアルでのヒロインがとても強くて良かった。

 

第六章は、原作より三歳年下なキリト君が規約違反承知でナーヴギアを入手し、ゲームに参加したというIF。ヒロインたちとの縁こそ、年齢差もあってか年上勢から可愛がられているような状態で。それでも頼られている部分もあって……。

年齢が近くなったこともあってか、そんな彼をよく見ているシリカの葛藤が良く描かれていましたね。

第七章もシリカメインのIF。シリカが「幽霊に取りつかれる」というクエストを発生させてしまって……そこでキリトとの縁も出てましたが、幽霊との交流を通じて一人での挑戦を選択したのは良かった。

 

第八章はタイトル通りの話。SAO時代に一度前線を離れて2人暮らしを始めた2人がアスナの「新しい事をしてみたい」とフレンド向けに料理を振舞ってみるお話。穏やかでしたね……。

第九章は原作者によるアリシゼーション編のIF。キリトとユージオが罪人として連行されず、そのまま学院に在籍し続けた未来を描く話でした。