「何度も言っているが、俺は自分の生活を快適にするために魔道具を作っているんだ。誰かのためだとか高尚な思いはさらさらない。自分が作りたいものを作るだけだ」
結婚せず、経済的に独立しており、稼いだお金も時間もすべて自分のために使える独身者――それが独身貴族。
そうやって気ままな一人暮らしを堪能していたところ、突如胸の痛みを覚えてそのまま死亡。神様からも「結婚するなりしていて、誰かに見つけてもらえれば助かったよ?」と言われても「そういうリスクも納得の上で独身でいたんだ」と受け入れる構え。
自分の中でやりたいこととやりたくないことがハッキリしていたため、神様相手にも臆さず。その心意気が独神という異世界の神様に気に入られ、色々とスキルを貰った上で転生することに。
魔法がある世界で、魔道具としても活動している貴族ルーレン家の長男ジルクとして生まれた彼は、変わらず孤独を愛していた。
前世の知識を参考にしつつ冷蔵庫などの便利な魔道具の発明なんかをして、自分の生活を豊かにすることには注力していますけど、それを世界に普及させて多くの人に感謝されたいとかそういった承認欲求とは無縁で。
幼少期にそういった冷蔵庫とかの原案を作ったことで、天才と思われ、両親に将来を楽しみにされていましたが……。独身を貫く覚悟の彼は、家は弟妹に継がせる構えで。
なんだかんだ定期的に食事はしているし、ジルクは自分が満足する魔道具が出来れば良いけれど評判が良いものは欲しがる人が多い……つまりは量産体制を整える必要があって。そのあたりの雑務は自分の事務所の職員だったり、ルーレン家の工房にほぼ丸投げしているわけですが。
最初から「自分の生活の為だ」と明言しているのもあって、ブレることがないのでいっそわかりやすくて良いですね。
色々と神様からスキルを貰ったりはしていましたが。それでもいきなり答えに辿り着けるような便利なものではなくて。冷蔵庫も両親の協力を経て完成に至ったものの、地球の家電を知ってる身としては「もう少し小さくしたい」と思うこともあるとかなんとか。最低限形になって、楽な生活が来たから改良は後回しになってましたが。
他にはクーラーを作ろうかと思ってましたが、そっちも試行錯誤の日々みたいですしね。自分の生活の為という前提はありますが、好き勝手過ごすためには手を抜かないところが良いキャラでしたねジルク。