「ま、あの対応をした一番の理由は、“敵”になりそうな相手の瀬力を落とすためだけど」
「――え?」
「いきなり騙そうとするなんて“敵”じゃない。あれだけスキルを封じられたら、よっぽど努力しないと私たちの脅威にはなりそうにないでしょ?」
ある程度冒険者として稼げるようになってきたナオ一行。
そんな中でハルカが「一時的に街を出よう」と提案してきて。それは再会できていない彼女の友人、ユキとナツキを探したいという希望からだった。
ナオとトーヤにも友人はいたものの……異世界に来て、身一つで生きていくという状況でわざわざ探してまで合流しようと思える相手は、今いるメンバー以外にはおらず。
ハルカの友人が女子2人だということ。これまでの活動から同じ町にはいないだろうこと。邪神を名乗って転移させた相手は、地雷スキルを設置したけれど街の近くに転移させてくれたり温情があること。
様々な事情を勘案して、ナオ達も友人探しに同意して動くことに。
ギルドの受付嬢や鍛冶師のガンツさんと良い交流できてるのも大きいですよねー。ルーキーが金のにおいをさせてると面倒な奴らが寄ってくる、とかアドバイスもらってますし。
ハッタリも必要だ、というのは大事な観点ですよねぇ。
さぁそうやって備えて友人を探しに行こう、と思ったところに地雷スキル持ちの元クラスメイト女子が現れて。スキルコピー持ちで、しかも暴走気味とか言う地雷案件だったのであーあって感じではありましたが。
その後行き倒れていたクラスメイト、トミーくんは地雷スキルは持ってなかったので「今」の普通の対応をしていくことになって、明暗分かれるなぁって感じ。
そうやって予期せぬ出会いがあった中で足を運んだ別の街サールスタットで、目的の2人とすぐに再会できたのは良かったですねぇ。
料理関係だったりはあまり振るわなかったですけど、本屋で使い手が居ないからとほぼ飾りとして置かれていた時空魔法の魔導書を初級・中級・上級を一揃い購入できたり、思わぬ収入があったりはしたし、大目標の友人と拠点としてるラファンの街へ移れることになったので収支プラスでナイス。
まぁ5人で活動していくことになると宿生活よりは、家を持つ方が良いなぁってことで出費がかさむことにはなるんですが。稼いでるから「家を買った」と分かりやすく出費したアピールしよう、という別の目標も達成できるので良し。
エルフの料理人アエラとの良い出会いがあったりもしましたし、ラファンはなんだかんだ良い拠点だと思いますけどね。
トミーが転移してから出会った男子2人は地雷スキル持ちで自滅してましたが。
サイドストーリー「翡翠の翼」として、ナオたちとそこまで親しいわけでもなかった女子3人グループの異世界転移模様が見られたのは良かった。自滅するばかりじゃなかったのは良かった。なんか思った以上に「スキル強奪」で死んだクラスメイト居たっぽいですしね……。