「……ノーコメント。だが、訓練は良いと思う。常に万全で挑めるとは限らないしな」
幽霊として残り続けていたエディスと出会い、彼女との交流の中で得られた知識や錬金術の道具とかを得ることが出来たナオ達。
しかし、そもそもエディスと対峙することになった切っ掛けは、アンデッド対策を求めてのもので……その方面でいえば、成果はアミュレットのみ。トーヤにとっては生命線ながら、他のメンバーの攻撃手段が増えていなかったりと、現金収入とかも踏まえて考えると、一連の騒動の収支は微妙な結果になっていて。
現実的には属性鋼を使った武器に頼るしかないということに落ち着いて。
決して安いものではないけれど、エディスから情報を得られたことで自分たちで属性鋼づくりチャレンジをすることに。
平行して金策も行うことになっていて、近ごろ取れていない銘木の採取も選択肢の一つとして挙がって。
情報収集をしている中で見えてきたのは、腕利きの冒険者でも上手くいかなかったのは、魔物への対処は出来ても伐採後の樹木を運搬する手段が限られており、そのために人手を増やせば割の良い仕事とは言えないためだそうで。
一番の問題である運搬をマジックバッグで解決できるナオたちにとっては、挑戦する価値のあるものだった。
……まぁ銘木が巨大すぎて、魔法も即断できるほどのレベルには達しておらず。トーヤの身体能力だよりだったり、まだまだ精進が必要だなぁって感じではありましたが。
ラファンの産業が停滞しそうな状況で、銘木の供給を担えるということでナオたちの価値が上がったのは、今後を考えると良い一手だったのでは。
サイドストーリーは「トミー釣行へ挑む」と「翡翠の翼 其ノ三」を収録。
トーヤがなんだかんだトミーを気にかけているの、良いですねぇ。実戦を経験して外に出ているトーヤ達とは違って、トミーは街で鍛冶師の弟子としての立場を得たので、戦闘経験が乏しいのが分かるエピソードが入ってたりしたの結構好きですね。
ナオ達の積み重ねがしっかり身になっているのが伝わってくるのが良かった。
翡翠の翼も領主からの指名依頼を受けることになったりして、そこそこ順調ではありましたが……現場に来たのがバカ貴族だったり、苦労してるなぁ……って感じもした。