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「……お前はここ最近、何かに呪われているかのように、おかしなものに立て続けに遭遇するな?」

 

大陸端にある辺境国家ヤーラン王国のさらに端にある都市マルト。

主人公のレント・ファイナなそこで冒険者として活動していたものの……階級としては長年銅級下位で停滞していた。

面倒見が良く後輩冒険者の世話を焼いたり、こまごまとした依頼を片付けたりで、階級のわりに顔が広く色々な人んい認められている人物ではあったようです。

ただ、そんな彼の目標は冒険者としてトップクラスの神銀級冒険者になることで……その夢に対して、彼の実力は足りていなかった。

 

日々ダンジョンに戻って日銭を稼ぐ。そんなローテーションを繰り返していたある日、彼はダンジョンに見慣れない通路を発見して。

本来ならそんな怪しい場所には踏み込まず逃げるべきだった。しかし、その日の彼は魔が差して奥へと踏み込んでしまい……最高位の魔物「龍」と対面し、殺されてしまうことになって。

 

そこでレント・ファイナの物語は終わるはずだった。

しかしなぜか彼は、骨格だけで動く魔物……スケルトンの姿で復活。「年月や経験を経た魔物は、存在進化と言って上位存在へ変貌することがある」という知識を持っていた彼は、せめてスケルトンよりは人間に近いグールへ進化しようと魔物討伐に勤しむことにして……成功。

 

拙いながらも発声ができるようになったことで、新人冒険者を助けてコミュニケーションを取ることも出来て。

その伝手で服を買ってきてもらったり、一緒に付き添ってもらったりして、ひとまず街に帰れるくらいの状況にはなって。ただ、それでも冒険者ギルドに「レント・ファイナ」として顔を出すと討伐対象になってしまう危険性があるため、接触できるのも限られた範囲にはなってましたけど。

少しずつ存在進化したり、縁を増やしたりして望まぬ状況からの脱出を果たそうとしているのが良かったですね。まだまだ先は長そうですけど、めげずに頑張って欲しいものです。