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「今は進まずにいても、いつか戦いに来る。お前に言ったその強がりを……じゃあ、今の俺が守れなくて、どうする……」

 

今回は逆理のヒロトたちと、黒曜陣営の描写が多かったのでいつも以上に暗躍してるなぁ……って感じがありました。

メレとシャルクの戦いみたいに派手なシーンもありましたけども。

リナリスが空気感染できる得意な血鬼である、という切り札を活かして色々と工作を働いていたわけですが。

ジギタ・ソギはその動きを感じ取って「見えない敵」と呼称し、的確な動きを取っていたんだからお見事。

 

リナリスもジギタ・ソギもヒロトも。

それぞれタイプが違いますけれど、策謀を張り巡らせる力が秀でているのは確かです。

ただ、六合上覧に挑むような修羅に近しい彼等であっても決して万能ではなく……。

例えばリナリスは、表で動く担当だったゼルジルガが見事に成果を上げて戦力を増強することに成功していたわけですが。終盤の展開では、配下を失う失態を演じてもいるわけですし。

ヒロトやジギタ・ソギもまた、この六合上覧を通じて達成したい目標の為に、い協力関係で会ったオゾネズマに伏せていた情報があり……それが耐えがたい喪失に繋がっていくのがままなりませんね。

 

軸のキヤズナという魔王自称者が作成したメステルエクシルという特級の戦力が、状況をかなり引っ掻き回すコマになってしまったことが今後にどう影響していくのかは気になるところです。

参加者がバチバチやりあうだけじゃなくて、擁立者である二十九官の間でも相変わらずの工作合戦があって。

メレとシャルクの戦いにおいて、互いに有利な戦場を確立しようと噂を流した程度は本当に可愛いもので。失点を演じた相手から速攻で権限を剝奪して蓄えた資材を奪いにかかっているの、改めて恐ろしい場所だなと思いましたね……。

でも、メレと彼の擁立者である空雷のカヨンとのやりとりだったり、戒心のクウロとおぞましきトロアの交流とかはちょっとホッとしたというか。この業の深い戦いの中でも……いや、だからこそ輝いて見えるものはあるんだなぁと思いました。