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「――失うぞ 全てを」
「それは お前の勝手な感想に過ぎない」
二〇三大隊はルーシー連邦の首都モスコーへの空襲を成功させ、アルビオン連合王国から派遣された応援までも蹴散らした。
円卓と称される敵側の優秀な戦力をサクッと削っているあたり、ターニャ以外の隊員も大魔導師級と称されているのも納得できます。
更にターニャはダメ押しとばかりに、敵国の首都で帝国国歌を響かせてそれを撮影したりして、これでもかと燃料投下に勤しんだわけです。
十分いや十二分の働きであったといえるでしょう。……参謀本部の思惑を超えてしまうほどに。
ターニャが当初考えていた通り、連合王国などは昨週までは『吟遊詩人』撃墜のニュースで戦勝ムードに入っていたのに、冷や水を掛けられることに。ルーシー連邦の騒動は、あまりにも大々的に情報が拡散されて、規制を試みるのもばかばかしい状況になっているとか。
それでちょっと危機感を煽りすぎて、ますます「世界対帝国」の動きが加速してくことになるんだからもう……。
ターニャ、その都度は悪くない一手を打ってるはずなのに長期的には損してますよね……。
一方の帝国国内は宣戦布告してきたルーシー連邦に痛手を与えたことに沸いていて。
あまりの功績に実行部隊を誰が率いているのか知らない政治家から「銀翼突撃章」の授与が提案されるほどだったとか。
参謀本部とのズレこそあれど、大功であることは認めざるを得ない状況。有能であると同時に限りないトラブルメーカーでもある、と称されてるのもむべなるかな
中央参謀本部は、吟遊詩人という最強のエースを失ったことにかこつけて戦線を縮小し、ゆるやかに休戦の道筋を模索するという案もあったようですけど、ターニャの燃料投下が上手くいきすぎてしまったがために、親帝国派とのパイプもご破算。
参謀本部で議論紛糾してるの、どっちの言ってることも分かるんだよなぁ……。
それはそれとして、途中で友軍を救援しつつ仮設駐屯地へ帰還した二〇三大隊へ歓待するだけの余裕が残っていたのは良かったですね。
賭けに負けたヴァイスが秘蔵の品を供出させられたり、グランツ中尉が一人前の証明をしてみせろと言われたりする楽しい宴会が繰り広げられることになって。
そんな中でまだ酒を飲めない年齢のターニャは先んじで席を辞して……そこで自分を転生させた存在Xと対面することに。
メアリーに神の恩寵が集中しすぎたのは予想外だとか言ってましたが、なにしてんだよ本当に。
ターニャを転生させた存在Xの思惑としては、もっとサクッと世の厳しさを思い知らせたのちに輪廻に返すつもりだったとか。予想以上に厳しい試練を受けることになっているが、当初の目的は達成したと判断した存在Xはターニャに選択を迫ってきましたが。
……超常の存在であり人を理解しない存在Xからたまに「汝の上官らも困惑しているのではないか? 許可を取ったというが本当にそうか? もっと話し合った方がいいぞ?」みたいな人に近い発言が出てくるの、無限に面白いな。
ターニャは存在Xからある提案を持ち込まれ……断った時は全てを失うだろうと不吉な予言を突きつけられていましたが、さてどうなるやら。