「僕は由宇が好きだ。大好きだ。由宇が、誰よりも大事だ」
由宇の背をまっすぐに見つめて、闘真はずっと言えなかった言葉を口にする。
再読。
あとがきでは5~9巻を纏めて「ADEM&海星編」としてもいいかもな、と書かれていましたが。海星を巡る騒動に決着がつくことになる1冊。
海星陣営の工作によって予期せず沈むことになったスフィアラボ。
脱出過程でトラブルがあって由宇が放り出されて、闘真が助けに出たことで更にADEM陣営も分断されることになったわけですが。
キスした直後だから若干気まずそうにしてる2人が実に微笑ましくて良かった。
ただ状況はかなり悪くて。2222ポイントに沈んだフリーダムの探索に乗り出した闘真たちですが……由宇に隠し事はないかと切り込まれたタイミングで、闘真は彼女の姿を見失ってしまって。一人でさまよった中で因縁の相手であるベルゼブブと対面することになったりしてましたしね。
スフィアラボ側もレプトネーターが投下されて、由宇不在の状態で対処しなくちゃならなくなって苦戦する状況に陥ってましたし。
それでも誰もが諦めず足掻き続けて、苦境を打破してくれたのは痛快でしたね。
やっぱり海底から由宇と闘真が脱出するための方法がユニークで笑えて好きです。
面白さでいえば減圧室にマモンと一緒に隔離される、という方法で彼女を無力化した八代が、本当にチェスやったりして時間潰してるの笑っちゃった。
外ではドシリアスな展開やってるのに、なんかここだけ空気感違うんだよな。2週間も隔離されるとなれば、まぁ緊張状態続けられもしないでしょうけども。
後はスフィアラボの復帰作戦、成功確率が低いけれど伊達と由宇がそれぞれ「0でないだけマシ」という同じリアクション示していたのもなんか好きです。
最後に不坐がやってきたことで、またしても由宇と闘真の道が分かたれることになってしまったわけですが……最後にこれまで言えてなかった言葉を口にできたのは良かったか。