「決まってんだろ」
俺は、満面の笑みを浮かべる。
「お前の物語は、ハッピーエンドにするって誓ったからだ」
豪華客船で行われる学園のオリエンテーション合宿に参加することになったヒイロ達。
相変わらず男でスコア0なヒイロの立場は微妙ですが。ラピスやレイたちには構われまくりで。
そんな状態でヒイロはゲーム主人公である月檻桜に、他のヒロインたちとの縁を深めてもらおうと画策していますが、彼女はなぜか相変わらずヒイロにご執心で。
だからかヒイロに「ちょっとオフィーリアの肩を抱いて」って言われたら実行に移してくれるわけですが。でも自発的にやってないから「飽きた」って放置するわけですが。
例え自分の作為が入っていようと百合の尊さから栄養取れるヒイロは、相変わらずテンションバグってるな。
百合を堪能するためにイベントごとの片隅で光学迷彩駆使して隠れたりしてるの、やっぱりおかしいよ……。
まぁいつも通りと言えばいつも通りの行動をヒイロが取っている中で、オリエンテーションでは彼の知っているゲームイベントにはなかった「おかしな出来事」が多発していって。
それは例えば、予期せずラピスが襲撃されることだったり。
魔神の信奉者が予想以上に潜り込んでいることだったり……本来なら最終日にまみえるはずの魔人アルスハリヤが、オリエンテーション途中で君臨までしてきて。
本来であれば主人公である月檻が解決してくれるが、一日早い襲撃というイレギュラーにヒイロは身構えて……結果として、新ヒロインをまた攻略して彼女の継いできた武装を託された上で、アルスハリヤと戦う羽目になっていたのは……まぁもうそういうめぐりあわせなんでしょう。
百合の事になるといろいろとおかしくなるキャラではありますけど。百合……ひいては少女たちのことを守りたいという心は本当で、純粋故に強固なものでもあって。その意思を貫いたのはお見事でした。
アルスハリヤ、百合を壊す存在であったがためにこれ以上ないほどの殺意をヒイロに向けられまくってたの笑っちゃた。ヒイロ、1から10までアルスハリヤに殺意マシマシの攻撃しかしないんだもんな。
「俺はお前に死んでほしいが、それ以上にお前を殺したい」じゃないんだよ。なんでこんなノリで戦闘始まったのにしっかり要所で格好いいんだ。