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「これは損得ではなく、利害の話だ。魔物を放っておけば害を受けるのはライトレス領。魔物討伐は貴様等の為ではない。ライトレス領――ひいては俺の為にやっている。勘違いするな下民が」

 

とある平民の少年が魔法学園へ入学。

貴族の場であった学園に平民が入ったことで嘲りを受けても、めげずに彼は成長していき……最終的には魔王を討伐し、ヒロインの一人である王女と結婚して平和が訪れる。そんな全5章からなる壮大な物語。

の、夢を見た主人公のローファス・レイ・ライトレス。

彼の役回りは、第1章における学園でゲーム主人公に嫌がらせをするちょい役にして、第2章で敵対する第二の魔王の四天王の1人であった。

 

最初にそんな夢を見たローファスは「所詮は夢は夢だ」と切り捨てたわけですが。

翌日もまた同じ夢を、何度も何度も何度も繰り返し見る羽目になって。自分が殺され続けている夢を繰り返し見た彼は、なかなかのトラウマを背負うことになったわけですが。

使用人が駆けつけるほどに悪夢にうなされて、目覚めた後には自分の死につながる要因……四天王として彼が仕えていた公爵家の名前を聞いただけで吐いてしまうような状態に陥ってましたが。

 

公爵家からもたらされたパーティーの招待状。それが三か月後であるから、それまでに夢で見た出来事を踏まえつつ、主人公パーティーに嫌われる要因となっていたイベントを事前に解消してやろうと動くことに。

その一端として、ライトレス領地内で重税を課されたことでローファスに恨みを持つゲーム主人公の味方キャラが居たので、その調査を始めることにして。

 

港町ローグベルト。ローファスが赴いた時点で、魔物の活発化によって漁が出来なくなり、税を納められなくなった。それを受けた代官が重税を課した上、領民を奴隷として売りさばき始めたそうですが。

……半年の間にそこまでの事が出来るの、それはそれで問題なのでは? ローファスが馬車を用意してから四日で行ける範囲すら目が行き届いてないじゃん……。

 

ゲーム時代には登場しなかった魔物と戦う羽目になったり、代官の暴走で貴族不審を抱いている一部住人と言い合いする羽目になったり。……自分の悲劇を回避しようとした結果、彼も予期していなかった変化を生じさせることになったりしてましたが。

ローファス、貴族らしい傲慢さを持っていますけどその態度に見合った強さを持っているのも確かなので、彼がこの後どういった成長を遂げるのかは気になるところですね。
容易に誰かの下につくような性格にも見えませんが、むしろなんで四天王なんかしてたんでしょうね、ゲーム時代。