「今更お前を手放す気はないから。お前のためなら多少とは言わず面倒事ぐらいいくらでも受けて立つし、なんなら勲章も名誉も全部放り捨てて拐って逃げても良い。これで伝わったか?」
勲章授与の為に帝都訪問が決まったヒロ達。
そこからエルマの様子がおかしいことに気付き……メイの調査結果を受けて、本人と話した見たところ彼女が実は法衣子爵家とは言え貴族家の令嬢であることが発覚。
今更エルマを手放す気はないぞ、とヒロがハッキリ言葉にしたのは偉い。手を出した以上、自分の女、身内としてしっかり大事にするスタンスなのはヨシ。
ヒロも今回授与されるだろう勲章によっては、名誉男爵ないし名誉子爵相当の扱いを受けることになるから、建前上は同格になれるという点は安心材料でしたね。
勲章授与に伴って、傭兵ギルドのランクも最高位のプラチナまで引き上げられることになっていましたし、困難に遭遇しつつも収支的にはプラスになってるのまぁ良し。
……もっとも母と姉はそれで納得してもシスコンでガチガチの白刃主義者の兄が納得するかどうか……みたいな不安になる情報も同時に投下されたわけですけど。そして実際絡んできたので懸念は正しかったわけですけども。
エルマ兄はともかく、他の親族との通話での顔合わせはひとまず問題なく終わったので良かったなぁ……と思っていたところ。
過日助けた貴族令嬢であるクリスから、そのままにはしておけない情報を聞くことになって。同時期にセレナ少佐も気付いて行動してくれたことで、秘密裏に話を勧められたのは良かったですけど。
これまで貴族がミミ相手になんか変な態度取ることがあった真相が明かされて、まぁさすがにちょっと驚きましたね。
そこから皇帝とかと対峙することになっていたのは……ヒロの悪運引き寄せもお見事というか。
長く続いた国のトップであることもあって、ヒロの経歴しっかり調べた上で話を聞く構えになっていたり、彼みたいなイレギュラー存在についての対処についても一家言あったり、それはそれとして許される範囲でちょっと無茶ぶりしてきたりするの、貴族らしい強かさが見えて割と嫌いじゃないです。
振り回されるヒロ達からするとたまったものじゃなかったでしょうけど。お疲れ様でした。