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『それで、彼が言うことにはだな。連中をなんとかしたかったら――』

(略)

『――友達になれ、だとさ』

 

斎藤さん、演劇力向上して弓の腕前を見せつけた後にピアノ演奏も即時習得してみせて。スペックが向上した人間がダンジョン外の社会で発揮されていく様子が見られるのは面白いですよね。当人はかなり困惑してましたが。

NYで経験を積みに行っている御劔さんの方も、オーラを求めてダンジョン探索者の可能性に賭けたところ成功しているわけですが。

芳村ブーストでオーラを身に着けたら、それが強すぎて新人に与えられる服では負けると評されるようになったりもして。なかなか上手くは生きませんねぇ。でもスペック向上したからこそ、新しい環境に挑めているから後悔はしてなそうなので良し。

 

アメリカ側……というかサイモンがDパワーズと上手い距離を取っているというか。

マイニングを上手く預けさせてるし。ブートキャンプで成長しているし。それを報告した結果として、DADのフロントチーム全員が参加することになったりして、アメリカも動きが早いよなぁ……。

JDAはそれに比べると行動が遅いことが多いので、マイニング対策が間に合ったのはまぁ良かったのでは。

 

ダンジョン内で出会って助言をした関係で、サイモンが訪問中に世界ランク2位のロシアのトップ探索者ドミトリーが訪問してきたり、Dパワーズの知り合いどんどん広がっていきますねぇ。

監視している人々からすると、アメリカのトップとロシアのトップが一つ所に集まるってことですわ亡命か、なんて話まで出てましたけど。

まぁそんなはずもなく、単なる交流で終わってはいました。その席でなんの気なしにダンジョン産の、リポップするオレンジを提供したりしてるので、Dパワーズはびっくり箱すぎるんですよね……。

 

びっくり箱なDパワーズは否応なく注目されているわけですが。

三好のワイン好きが調査員から報告が上がって、マニアックな癖なのも分析されて、貴重なワイン1ケースで買収できないかなって大統領が考えてるの面白すぎるた。

実際それで「収納庫」スキルを使った運搬任務への協力取り付けてるわけですし、有能~。

 

そしてそれを提供されたJDAは遺伝子分析を研究所に依頼したわけですけども。

複数のグループで検査したところ、全く違う品種の結果を出してきて。……なんと、観測するまで結果が確定しない、シュレディンガーの柑橘状態になっていてダンジョンのトンデモ具合を改めて実感しましたが。

あらためて調査の為に、人員を連れて21層へと赴くことになって。日本の研究員の他、ついに飛んできたWDAの博士まで同行することになったりもして

さらには21層で何かしらの「儀式」に巻き込まれて、影響が地上にも出てくることになってしまって。後始末のためにJDAも含め奔走することになっていましたが。相変わらず大当たりのクジしか引かないなDパワーズ。