「おい、クソガキ。入学するまでに、友人作っとけよ」
(略)
「でないと、お前は必ず行き詰まるぜ」
サイレント・ウィッチシリーズの番外編。
サブタイトルにある「結界の魔術師」ルイスについてのエピソードです。
本編主人公である沈黙の魔女モニカの同期であるルイスですが。実力もあり、妻帯しており、人見知りが過ぎるモニカに比べて交友範囲も広い。まぁ、割と豪快な部分もありつつも、貴族然とした振る舞いも習得している。愉快なキャラだったわけですけども。
元は北方にある娼館で、雑用をしていた少年だった、と。
たまたま宿代わりに宿泊した魔術師が落とした魔術書を拾い、それを読んで指導もなしに魔術を習得。
その後、その魔術師……ラザフォードに見つかって指導を受けることになったわけですが、1週間で初級教本の魔術全てを習得したとかで、ルイスもなんだかんだ天才ですよね……。
貴族が幅を利かせているミネルヴァに進学して、見下してくる相手に対抗するためにひとまず暴力という力を見せつけて、自分のスタンスをアピール。
それは最初に暴れることで、ちょっかい出そうとしてくる奴を減らそう、という彼なりの理屈があった行動でしたが。入寮初日に2度も指導を受けるのは、ある意味凄い。
天性の才覚はあっても、基礎学習が足りていなかったり、やりすぎたりする部分もあるわけですけど。荒っぽい彼と付き合ってくれる、心の広い人々も居て。
それどころか、無茶している彼のフォローとかもしてくれたりしていた、と。ラザフォードが「周りの人間の厚意に、無頓着すぎる」と問題点に気づいて、荒くれ坊主に合った向き合い方と指導をしてくれたの良かったですね。
ルイスも学園で運命の出会いをして、そのために自分を変えようとしてたり、思った以上に熱い男だなーという感じ。