「何より最悪なのは、私から鳥子を奪ったことだよ」
「ど、どうしたの、急に。そう言ってもらえるのは、嬉しいけど」
「なんか、言えるときに言っとかないと後悔する気がして。もし二人とも破ぁ!されたら、二度と言えなくなるじゃん」
これまでは3~4エピソード位の短編を1冊に収録してましたが、6巻は「エピソード20 Tは寺生まれのT」だけを収録。
裏世界に行きまくり、トラブルに遭遇しまくって、時に沖縄とかに飛んだりしている空魚が冒頭で大学三年生になれてて割とびっくりしました。
まぁその直後に空魚が記憶喪失になっていることが発覚してもっとびっくりしたんですが。
「寺生まれのT」という怪談を打ち破る都市伝説が空魚の傍に現れて。
それによって怪談……というか「裏世界」との繋がりを断ち切られた事で、右目も色が薄れてしまったり、記憶が封じられたりしてしまったわけですが。
その原因を鳥子の手でなんとか取り除いて、記憶も目の能力も復活。Tさんはそれ以降も空魚の近くで見え隠れしているので、対処することを迫られて。
前の巻で保護することになった子供、ひとまずDS研に預けられていましたが。
彼女もまた第四種のような存在というか、違う世界の「層」を行き来する能力を持っているようで、良く見失うし危険な場所に現れることもある。
言葉も通じているのかもしれないけれど、ハッキリ意思疎通が出来るわけでもない。てっきり意識を取り戻した後、しばらく放置されていた閏巳るなみたいに先送りにされるのかと思ったら、意外とあっさり接点が出来て、本筋にも絡んできて驚きました。
DS研、るなの徒党に襲われたと思ったらTさんにも来訪されて、散々ですな……お疲れ様です。やっぱり空魚を尾行していた茜理が絡んできたりするバタバタする一幕もありましたが、今回も全員無事に生還したので何よりでした。