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「ルーシーさんに無断で小遣い稼ぎをしたとして、『バレたらどうしよう』ってずっとクヨクヨするくらいなら、お金を受け取らずにプレゼントして喜んでもらったほうが、気が楽です」

「ふふふっ。なるほど。シャーロットはそう考えたのね。でも、無料はやめておきなさい。人間はね、無料の物を粗末に扱いがちです(後略)」

 

器量よしの少女シャーロットは、森近くの小屋で両親と仲良く暮らす中で、母から様々な知識や礼法などを教えられ、狩人の父からは森の歩き方などを教わってきた。

彼女は両親と血が繋がっていない捨て子だったが、2人から愛情深く育てられて来た。

ある日その両親が親戚に逢いに行くと手紙を残して家を経ってから消息を絶ち……母の遺した手紙に記されていた通り、仕事を紹介してもらいにとある商会に行くことに。

 

母はシャーロットを王侯貴族には近づけたくなくて、どこかの商会で仕事を見つけて欲しかったみたいですけど。商会の人が両親を亡くした後ではなにかと大変だろう、と気を利かせて給料の良い城の仕事を紹介してくれることになって。

充実した教育を受けていたシャーロットは問題なく侍女の仕事をすることが出来ていましたが。……両親と森の小屋で過ごし、他人と交流した経験の薄かった彼女は、礼儀として男性にも笑顔を維持して会話しており……その結果、勘違いする人物が増えたりするトラブルも。

上司が気の利く人で別の部署に配置換えしてくれたり、実際良い環境で働けていましたね。

 

……途中で視点変更が入って、消息を絶った両親があの日何をしていたのか。

シャーロットを大事に育てていた彼らが何を隠していたのか、というコトについても明らかになっていくわけですが。

実はシャーロットは高貴な生まれながら、親族に命を狙われる可能性があったため、両親に託されて逃げて来たという経歴があったそうで。

……十何年も追跡している人員も登場したりするので、逃げたのは正解だったと言えますけども。

 

土砂崩れに巻き込まれ記憶を失っていた父が、なんとか助けを借りながらも帰還して。シャーロットに事情を伝えることが出来たのは良かったですが。

先述の通りまだ追手が存在している状況で、少しでも味方を増やせればよいなぁという状況でしたが、どうなるやら。