「やりたい事をやるだけで、皆が少しでもお楽しくて幸せになるなら、僕はそれを嬉しく思うよ。あれこれふんぞり返って指図だけするよりも、ずっと楽しいからね。そこまでって言われる程の事は、してないかな」
森に生きて、多くがそのまま森で死ぬエルフ。
しかし精霊の助けを借りられて、さらには長く生きるエルフがその気になれば、かなりの脅威になるというコトをエイサーの助力によって変化していったエルフの国で実感することになりました。
この地のエルフは、人間とのかかわりが以前からあり……農業に関わる変わり者エルフとして知られていたテューレが、食糧問題解決の助けになってくれたわけですが。
森の恵みで賄える範囲でしか営みを増やしてこなかったエルフが、土地を得て本気で農業をやったらその長寿もあって大陸からエルフ以外を駆逐できる可能性をエイサーは感じ取ってましたが。
テューレが踏みとどまる選択を取れる人で良かった。賢さからの判断かと思ったら、番外編の「テューレの独白、征服と支配」でちょっと違った内面が知れて、驚きましたが曲者エルフって感じがして良かった。
そうやってエルフの国に助力した後、養い子ウィンの下を訪れたエイサー。
人間至上主義の宗教と戦い続けて来た亜人達の連合軍ですが、聖地を奪ったものの教主には逃げられた。さらに、教主は邪仙だという話まであって。
ウィンには「このタイミングの悪さも、エイサーらしい」なんて言われてましたが。見た目だけなら自分より年上に見えるようになってしまっても、自分の養い子だから、としっかり助力していったのは彼らしかったですね。
そうして騒動が決着した彼を、成長した不死なる鳥のヒイロが迎えに来て。
この世界における終焉についての話とかも効くことになったりしてましたが。エイサーが森に帰った時にあったサリックスも言ってましたが、森を出たことで逆に世界の真実について詳しくなっていってるの、ちょっと面白いな。
ヒイロの成長もあって、ついに巨人との対面も果たしてましたしね。アイレナと約束した白の湖についても辿り着いていて、実に長い旅だったなぁ……と思いましたが。ハイエルフのエイサーが居なければたどり着けなかった場所ではあるけれど、まだまだ旅の途中でもあるんですよねぇ……。