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「だからちょっと引きずり降ろしてやろうかと思って」

「何を考えているんですか、あなたは……」

「じゃないとあいつは一人のままだろう?」

 

2024年夏コミで刊行された、古宮九時先生の個人サイト「no-seen flower」掲載の作品のガイドブック。

作品の解説だったり、いくつかの短編だったり、コラムなんかが収録されている満足度の高い1冊。シリーズ内作品群のページになんか、弊ブログの名前が登場した気がしますが、きっと錯覚ですね、はい(現実を見ろ)。

ちょっと1005本全部読んで感想記事書いてるだけの一般読者なのに……。

 

作品紹介のページの『Icy Prayer』で「ファルサスはひどい」と紹介されてるの、実際変な植物ネタとかあるから、ひどいんですが、各作品についている23行の紹介文に紛れ込んでるの笑っちゃうな。

短編は、Unnamed Memory本編の解呪前「共生の記憶」、Act.2の女王ティナーシャを描く「幕間にて」、Babelで雫が旅をしていた時のエピソード「旅の終わり」、Rotted-sでアーシャがレアの傍に居ることを選んだあとの「終着へとのびる」、月白のサァリが17歳の頃のエピソード、を描いた「朱色の帯」の5編が収録されています。

オスカーがティナーシャに対しての印象を語っているのが印象的で、「共生の記憶」が一番好き。あとは、「朱色の帯」でいつも通りのサァリとシシュのやり取りが見られたのも楽しかった。書籍完結してるし、WEBWEBで関係変化してってますからね……。

 

コラムは、オスカーとティナーシャの関係について。アニメ視聴者から「いつキスするような関係になったんだ」とアニメから入った人に驚かれた、というような記述がありましたが、撫ででも良いゾーンが広がった猫扱いされてるのが面白かったですね。実際、多数決するまで好意に気付いてないからな、あの最強の魔女……。

コラムでは「王同士の婚姻について」だとか、「Act2におけるティナーシャの変化」や「『Unnamed Memory』における言語」なんかにも触れられています。言語については、『Babel』だったり『ate4』を読んでいるとより味わい深いですね……。

あとは、あちこちで『Aeterna』に触れられることが多くて、ateの進行が進んでいることだったり、終わりが近づいている感じがして、楽しみでもあり惜しくもある。

 

あとは大陸別の異能とか、大陸の距離についての話についても触れられていましたね。

アイティリスと東の大陸の近さが、神話時代のアイテアの想いがあったからだというのも良かった。……時を経るにつれて、神の想いであっても薄れて変わっていくのは、寂しいものもありますが。

滅びない国も死なない人もいない、というのはこれまでも描かれてきたわけですからね。

コラムで「終わる物語と終わらない物語」についても語られていましたが、そこに通じるようなものを感じました。

何に使うってわけでもないですけど、後は各キャラの属性についても記述があったのは面白かったですね。