「価値があるものを価値の分かる者に届けねばならん。それは儂が商人を目指したときの、最初の誓いだったゆえにな。男として恥をかくからと、商人としての誓いを曲げては、儂の魂にはなにも残らんではないか」
妖精サイネリアが勝手に米とビールを持ち出してきた相手に、しっかりと贈り物を返すあたりソウジロウも真面目だ……。
そうやって贈られたおにぎりが、ソウジロウ作で神気がこもっていたこと。サイネリアが伝えた神器持ちや飛竜が滞在しているという話が興味深かったために、天龍と呼ばれる崇められている種族の若者がやってきたりして、さらに森がにぎやかになることに。
最初の挿絵でウカタマとコタマが持ってきた植物を植えたところで片方がばんざーいって感じで手? 足? を挙げているのが可愛かったですね。
一方、ソウジロウからもたらされた神樹の森の素材を受け取った領主のセデク子爵。
彼が王家に献上した蛇の肝を用いた薬で、臥せっていた王子が回復されたとかで、数年のうちに領地に足を運びたい、なんて話も出て来たとか。
狭く貧しい領地で、中央からは落ちぶれ貴族として見られているような場所だそうで。
近くにある神樹の森が豊か過ぎるがゆえに、切り落とすにも一苦労な樹木や倒すのも大変な魔物に溢れていて、人が踏み込めずにいることが原因の一つではあったようです。
貧しい領地でどうやって持て成すつもりだ、と商会長にツッコまれたりもしてましたが。
結果的にソウジロウが神樹の森の素材を持ってきてくれたことで、素材の処理に商人ドラロが苦慮することになったりもしてましたが。その分の恩恵も受けられてるので差し引きではプラスの方が多そう。
ソウジロウ側も理解ある領主と商人との伝手が出来たり、森の拠点でも大浴場作ったりしてるし、森の住人も増えたりして充実してますね。