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「……見返りをお求めにならないのはなぜなのでしょうか? ノブレスオブリージュとも異なるようにお見受けしますが……」

(略)

「単純ですよ。見返りとして何かをしてほしい、こう動いてもらいたい、ということが何もないだけです。何かあれば要求するのでしょうが、それだけの話です」

 

リーナの結界の中であれば、今まで通りに交流が出来るようになったリオ。

超越者としての制限がある中でも色々と手助けはしていたわけですが……。特に大変なのはレストラシオンですよねぇ。

クリスティーナの即位でちょっと浮上はしたものの、拠点としていた土地を追われガルアーク王国に逃げ延びている状況なので、予断を許さない状況ですし。

 

ガルアークの名誉騎士アマカワハルトが、かつて冤罪を着せた少年リオであることはクリスティーナ達には伝わっており、だからこそこれまで積極的な工作は抑えられていたわけですが。

ユグノー公爵はそのあたりの事情を知らないために、どうにかリオを取り込めないかと画策することに。

そんな中で漏れ聞こえた「リオ」という名前だったり、スティアードや当時の事を知る子女に話を聞いた結果、かつては最善と信じた行いが自らの首を絞めようとしていることに気が付いて。

 

その上でユグノー公爵は、なんとか軟着陸させようとしていたわけです。

……まぁそういう政治的な配慮とか根回しとかで動き出そうとしたところを、スティアードが台無しにしていくわけですが……。いつまで経っても、君は変わらなかったねぇ……。

あのヒロアキですら、近ごろはマシになってきている部分があるというのに。

 

超越者や勇者についての秘密。あまり公に広められる話でもなく、一部上層部と勇者たちのみの間で共有が図られているようで、そこは納得できますが。

下手に共有できないのもあって、探ろうとする貴族が出てくるのもまぁそれはそう。まぁ、ガルアークの貴族であるグレゴリー公爵、スティアードを唆してたり、ユグノー公爵にベルトラム本国の何者かとパイプを繋ごうとしていたりしてますし、何かしらやりそうな気がしますが、どうなるやら。