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「木目金は量産できる代物じゃないけど 異なる素材を重ねた積層金属というテーマには挑戦してみたい」

「多分…それが俺の原点だから」

 

38話~44話を収録した第6巻。

「銀座の百貨店の企画展に出す目玉商品を考える」ことになった修。

異業種と交流していたエピソードに決着がついたのが良かったですね。

方針を考えるにあたって、修の父が名手であった木目金という技術に挑戦することにして。

素材に金を使っているから高くなるし、火を入れすぎるとただの合金になってしまうし、金属の伸び率が違うから叩いて平面に広げるのすら難しい。

 

そんな木目金で立体を作ったから、「いずれは人間国宝」とまで言われていた、と修の父の掘り下げが入っていくのは良かったですね。

自分で挑戦したことで、職人としての父に思いを馳せていましたし。良い父ではなかった、という気持ちもあって、大分複雑ではあったようですけど。

それでも原点を見つけて、面白そうな素材を見つけて。三条の番頭・五十嵐さんにも報告して。あっちの伝手も使って話がどんどん進んで行ったのは良かったですねぇ。

「人と人を繋げて集めてお祭りにする」というのが番頭の仕事の醍醐味だ、って言うのが印象的でした。

 

しいなが商品発表の際に前面に出てったのも、修が積層金属にチャレンジした理由も、なかなか良かったですね。

まだまだしいなも番頭として未熟なところがあって、現場ではFAXが現役! とかって話も聞けたりするので五十嵐さんとの接点が出来たの、しいなとしても良かったですね。

修が祖父から企画展の後に「こういう問題あると思うけどどうだ?」と指摘されたとき「ターゲットがそもそも違うから、このままで良い」と返せていたのも成長を感じる。

……まぁその後、疲れたから外に出ないと言い出すので、まだまだ発展途上というか。青さもあるのが、彼らしくて良いと思いましたよ。はい。