「意外なところでナイーブよね、あんた。普段は宙賊の群れとか結晶生命体の群れとかに平気で突っ込むくせに」
「それとこれとは話が別じゃん。勝てる戦いに尻込みする理由はないし」
「そんなんだから二つ名が『クレイジー』なんて物騒なやつになるのよ……(後略)」
クギはヒロの能力を感知してやってきた相手であり、ヒロには考えることと覚悟を決める時間があって、まだ一線を越えていないようですが。
……これまでの実績を想えば、まぁ時間の問題だろうなぁ感はある。あるし……実際、この巻で関係が進展してましたね。予期せぬ電波を発信することになったりしてたのは……流石に予想外ですが。
ブラックロータスの改修作業が終わり、整備士姉妹のティーナとウィスカが正式に会社を辞めてヒロの傭兵部隊に所属することになったりと、少しずつ変化はありつつ割とのんびりと過ごしていたわけですが。
ヒロは故郷に帰りたいのかどうか、なんて話にもなっていましたが。「地球」は恒星間技術を持たない人が名付けた名前だから、探せるか分からない。転移した時に時間すら飛び越えているかもしれない。そもそも帝国の市民権も得ているし……今はクリシュナとブラックロータスという家も、心配してくれる仲間もいるから良いという結論になるのは良かった。
帝国の最辺境領域、エッジワールド。
資源が眠っている可能性もあるけれど、それを狙ったほぼ宙賊というべきモグリ傭兵もいたり、闇鍋みたいな場所になっているようですけど。
セレナ大佐がそこに対処することになって……傭兵としてヒロも協力していくことになったわけですが。そんな中で、セレナが神聖帝国の剣士コノハを同行させたいと、ヒロ達の前に連れてくるわけです。
襲撃してきた相手がサイオニックテクノロジーを駆使していたから、神聖帝国として見逃せないと思ったそうで。
エッジワールドでの活動は、ヒロが相変わらずイベント引き寄せまくって、セレナ大佐に違うのはわかった上で何かやってませんか、とか聞かれたりするほどでしたけど。
まぁ……今までに比べると、割と穏やかな展開だったんじゃないですかね。