「次のゲームを始める前に、前のゲームを終わらせなければならない。そして終わるときは、互いの健闘を称えるものさ。ゆえに、そのための言葉を教えよう」
(略)
「――Good Game。人と遊ぶなら、この言葉は覚えておきなさい」
WEBより早く【光王】エフが登場した影響で、エフの妹であるジーの登場も早まった、とあとがきに書かれていましたが。
戦争に向けたトーナメントに、カルディナの超級であったはずのアルベルトが乗り込んでくるなど、予想外の事態が引き起こされる中で、レイは来訪が早まったジーと対決する羽目になっているの、相変わらずの運だなぁと思いました。
カルディナの議長ラ・プラス、本当に未来が見えている……と見紛う位の演算で予測を立てているみたいですけど。一つの行動にいくつもの意味を持たせているのがおっかなすぎますね。
超級として貴重な戦力であるアルベルトを外国に送り出したのは、今後制御できなくなる可能性が高いから。そして、決闘に参加させることで彼の手札は晒されるので、アルベルトの価値を多少とは言え下げることもしたし……王国がやりたかった、他国に移っても良い準超級をスカウトして、王国の戦力を増やさず自国の利益を作ったりとか。トンデモない。
しかし彼女が計算した時点で存在しなかった、まだこの世界に参加していなかった新人プレイヤーは彼女の計算を狂わせるみたいで。レイがこれまで経験してきた事件のいくつかの裏にラ・プラスが居たと明示されたのは、その手の届く範囲に驚かされましたけど。
ラ・プラス、管理AIを「異邦の無限」と称し、夫と2人ならそれにも勝てると豪語したりそこが知れない。レイが王国所属なので、王国の戦力削りに来てる彼女達の事、どうにも好きにはなれませんが。
大賢者、ハイエンド、ラ・プラス、管理AI。この世界、暗躍してる勢力が多すぎて、いろんな思惑入り乱れてるから、今更と言えば今更という説もある。
書き下ろしパートであるジー関連のエピソードですが、表紙にもいるようにジュリエットが結構絡んでくれたのは嬉しかったですねー。
ジュリエットが登場する影響で、チェルシーやマックスといった決闘組との絡みも発生してましたし。
……ジーが変態の巣窟であるレジェンダリア出身なので、ランカーのイメージが汚染されているのはちょっと笑った。
いつも通り格上との戦闘ではありましたが、諦めず足掻いたレイが変わらず主人公していて良かったですね。