「恐れを失った者がどうなるのか、それは今の君が体現している。シャラモン、確かに昨日の世界に僕らの敵はいなかった。今日の世界にもいないだろう。でも、明日の世界もそうであるとはかぎらない。恐れとは、つまりその視点のことさ」
(略)
「気を付けなよ、シャラモン。何物も恐れない君は何物も居ようとしない。その驕りは、いつか君を破滅に導くかもしれない」
イシュカに残ったクラン『血煙の剣』のメンバー、ミロスラフやルナマリア、イリア、シール、スズメたち。
彼女達はスタンピードからイシュカを守るために築かれた防衛線での魔獣討伐に協力していた。
ソラから彼が居ない間の行動は委ねられていたこと。クランが防衛任務に協力しないと、彼が居ない間に評判が落ちてしまうなどの理由から、ギルドから持ち込まれた依頼を受けることになったようですけど。
ゴズ達と対峙して力になれなかった経験から、強くなりたいと思っているメンバーが多くいたのもあったみたいです。
……ただ、そうやって森に頻繁に行っていた関係で、結界を張るために派遣されてきた聖王国の使節団の案内を振られてしまうことになったり……使節団を狙った高位の魔物に狙われる羽目になったりと、なかなか上手くいきませんねぇ。
結構窮地だったっぽいですけど……ソラがなんとか間に合ったのは良かったですね。
聖職者を狙った不死の王と称されるアンデッドモンスターの頂点。聖職者が天敵であり……実際今の教皇ノアは不死者を三度撃破した功績もあって、その地位にいるとかなんとか。
幽世に肉体を置いて現世に影を派遣している形で不死を実現していたシャラモン。
しかし、魂そのものを喰らうソラの心装ソウルイーターとの相性は最悪で……割とあっさり蹴散らされることに。
竜殺しに加えて、教皇の前で不死者殺しまで成し遂げたわけで、望めば名声をより高めることもできたでしょうが。得られる利益以上に面倒事の方が多いので、そのことは公にはしないことにして。
結界の強化と維持のために必要なベヒモスの角を求めて、カタラン砂漠に赴くことを決めていたソラ。
現地でアニマを宿したダークエルフと戦うことになったり。目的としていたベヒモスとの戦闘はまだしも、その後に夜会の1位である不死者ダークエルフのラスカリスと対峙する羽目になったり、ソラの日々は安寧からは遠いですねぇ……。
ラスカリス、『惑わす者』なんて二つ名で呼ばれているのも納得できる、説得力がありつつ怪しい発言するの上手いなぁ……。