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「もう充分に稼いだから、このまま引退しても問題ないし」

「それは、日本政府が許さないんじゃないかな?」

(略)

「それは向こうの都合ですし、俺は俺がやりたいように生きていくので」

 

良二が倒した『黄金のドラゴン』と同時に現れた富士樹海ダンジョン。

異世界でダンジョンを制覇した彼でも見たことがない新天地ではあったものの、出てくるモンスターの法則などは守られていた。

とは言え、上野公園ダンジョンでは951階層以降に出現するReスライムという、スライム種の中でも最強格のモンスターが1層から登場するなど、かなり危険な構成となっていて。

 

良二の教えを受けたイザベラ達でも油断すればすぐに殺されてしまう、というくらいヤバい存在で。あの黄金ドラゴンもボスとかではなく、ただの門番的存在だったのではなんて良二が零していたほど。様子見とは言え、1000層以上あるダンジョンを踏破しているような彼が、157層で一時撤退を選んでたりとなんかこのダンジョンだけ異質では……?

 

良二の特訓にちゃんと金を払って、自力で前に進もうとする善良の冒険者も当然多く存在するんですが。

……今回もまた、良二を見限った親族だったり、元幼馴染で勝手に婚約者を自称した佳代子だったりが暴走を始めたりもして。彼らを唆して金だけ奪って罪に問われる前に逃げる自称コンサルタントも登場したり。彼らの行動によって、良二を誹謗中傷したりたかろうとする流れが出来たり……人間の愚かさなんかも同時に見せつけられていくわけです。
結局排除するならもっと早い段階で出来たんじゃないかな……という感はある。基本路線として向こうに一線を超えさせて、法の範囲で常識的に対応しようとした結果ではありますけども。