「昨夜、クリスティナと話し合ったのだよ。シャーロット、我々は君を守ろうと思う」
「陛下……ありがとうございます」
「クリスティナがそなたの母の心情を思いやって泣くのだ。『他人事とは思えない、生まれたばかりのわが子を連れて逃げろといわなければならなかった、その心が切ない』と言ってな」
王妃殿下のお茶会に招待されたシャーロット。
実は隣国の前国王夫妻の血を引いている彼女を庇護することを王妃が決めてくれたのは良かったですね。未だに道を決めかねているけれど、ずっと彼女の事を探し続けていた密偵のレオが城に忍び込んでも居ましたし、味方が増えたのは素直にありがたい。
王妃様からシャーロットの実の両親の成婚記念の絵姿を見せてもらって、姿を知ることが出来たりもしましたし、ランシェル王家との縁が出来て良かったですね。
シャーロットの祖父母とも再会が出来て……彼らは孫の無事を喜んでくれたし、彼女達からシャーロットの養母の死についても知らされることにはなりましたが。養い親2人の忠義とかも認めてくれていたのも良かった。
とは言え、彼女の抱えている問題が解決したわけではなくて……。長年彼女を追っていたスパイが悩みながらも城に忍び込んだりしているし。
シャーロット、そうでなくても美人で仕事も出来る優良物件なので、式典の為に他国の人員がやってきた時に求婚されたりだとかのトラブルにも見舞われてましたし。
……さらには、彼女に執着している隣国の王の忠臣にシャーロットの存在が気付かれてしまって。襲撃を受けることになったりもしてました。
密偵のレオがパンの恩義と言って、暴君ではなくシャーロットの味方をしてくれたのはなんか嬉しかったですね。
そういうトラブルを超える中で、シャーロットが自分の恋心を自覚して行動してくことになるの良かったですし……幸せな結末を迎えられて良かった。
番外編として、密偵レオやバンタース王国で若き王となったイブライムの話も収録されていて、彼らも彼らで幸薄い日々を過ごしてきましたが、そんな中でも幸せを見つけられたのはなによりでした。