「ゼフィルスがそこまで推すから決めたのよ。そこのところ、よく覚えていてね」
上級職が少ないリアル「ダン活」の世界。
だからこそ上級職に転職できる「上級転職チケット」の価値は計り知れず……原則として販売が禁止されていた。ただ、まったく売らないのも不満が溜まっていくから、国が特別な催しなどに合わせてオークションで出品したりするとか。
エデンメンバーもゼフィルス基準で上級転職が間近に迫っていて、だからこそオークションに出品されるチケットが欲しいという意見が出たりもしてましたが。
ボス周回が出来る分他よりも有利なのもあってゼフィルスはそれを却下。ただ、妖怪1足りないが悪さをしている中で、エデン内でも意見が色々と会って。まぁ最悪の場合、ゼフィルスがギルド結成前に隠し宝箱から見つけた個人所有のチケットを供与するという事で決着。
解決方法が見つかったから、という訳でもないでしょうけど。その後無事にチケットはドロップして。
エデンの1軍メンバー、盾役シエラ、ヒーラーにラナ、索敵にカルア、アタッカーにエステル、遊撃でゼフィルス……そしてバックアップの生産職のハンナがまず上級職に就くことに。
相変わらず知識を隠すつもりが無くて、曾祖母が『盾姫』に就いていたシエラでも知らないジョブについて欲しい、と言われて。ゼフィルスが推すのだから、と受け入れたシエラは良い子ですねぇ。……ちゃんとアピールもしてるのに、ゼフィルスにはさっぱり届いてませんが。
未発見のジョブを含む高位職への上級転職を、エデンメンバー全員が果たしたことを受けて、学園長が頭抱えることになったりしてましたが。
勇者の齎す情報を活かして、現状を変えていくつもりはあるけれど、そうでなくても転職制度が始まったりとかのタイミングで、要するにこれ以上は無理という事でいったんは学園長たちだけで秘匿することになっていましたが。
……そうやって上層部が保留しているうちにゼフィルスはもっとすごい勢いで駆け抜けていくだろう信頼がある。
まぁ、試運転でダンジョンに潜ったエデンメンバーが楽しそうだったから良いんじゃないですかね! 読者的にはハッピー。
番外編は、ニーコやカイリ、別ギルドながらゼフィルスの影響を多大に受けているマリー先輩たちの話で、外野から見てる方がやっぱりゼフィルスの破壊力凄いなぁと思うばかりでした。
電子限定特典が、ハンナ目線で「学園どころか世界初!? 上級生産職ってそんなにいないの!?」で、タイトルからして内容がよくわかる、良い話でしたね……。